現場発!社員に響く研修

「暗闇」がリーダーに教える 部下との対話法 野村証券、ユニークな部店長研修に潜入

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 この研修プログラムを運営するのは、ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパン(東京・渋谷)。「純度100%」とよばれる、光のまったく入らない会場の施工は、ほぼ彼らの手作りだ。

 視覚を奪われしばらくたつと、ほかの感覚が鋭敏になってくる。触れていなくても隣に人がいることがわかる。相手の息遣い、近づいてくる足音......。視覚以外の感覚を、フルに使おうと動くのだ。

 暗闇研修には、ひとつの面白いルールがある。互いをその場でつけた「あだ名」で呼び合うことだ。互いに声をかけあい、名前ではなくあだ名で呼ぶことで、これまでの肩書きや経緯から開放される。

 暗闇のなかでは8人程度の班に分かれ、さまざまなワークショップを体験。粘土で作品を作ったり、お茶を飲みながら会話を楽しんだり。終了後は、ゆるやかに戻る光の世界で、できあがった作品の「想像と違う」仕上がりに、ため息や笑いがもれた。

リーダーは人の話を聴けない?

 「現場に戻れば、鬼上司も多いと思いますよ」。研修を担当する人材開発部の中川洋次長は話す。ほとんどが15年以上のキャリアを持つ役職者。「すでにそれぞれの分野で十分な成功体験をつんだエキスパートです。だから、役に立つ研修を考えるのは、若手研修以上に難しい」

 野村証券の部店長研修は5年前に始まった。今回なぜ、この暗闇体験を役職者研修に選んだのか。意識しているのは、「傾聴」つまり「人の言葉に耳を傾ける」スキルをあげることだという。「人の話を聴くことが苦手なリーダーは多い」。中川次長は指摘する。

 上司と部下の場合、普通に話せる関係であれば大きな問題にならず事前に防げたことが、言えなかったために大きなトラブルにつながることは多い。部下からすれば「(上司に)そんなことを言える雰囲気ではなかった」と、トラブルにつながるような案件ほど報告しづらくなる。

関連情報

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。