ICTで築く明日の社会

ネットとリアルで理想の高校めざす N高等学校校長 奥平博一氏

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 通信制高校といえば、紙の教材を郵便でやり取りする通信添削が中心だったが、最近はインターネットを使った授業も導入が進みつつある。一方、ネット学習に対しては、学校での直接指導に比べ、学習意欲やコミュニケーションの面で限界があるとの指摘もある。カドカワはこうした指摘にどう応えようとしているのか。N高等学校の奥平博一校長は「ネットとリアルを組み合わせ、理想の高校をつくりたい」と意気込みを語る。

――カドカワが設立する通信制高校の校長を引き受けられた経緯から教えてください。

奥平 博一(おくひら ひろかず)<br /></p><p>N高等学校校長</p><p>カドカワ学校設立準備室メンバー</p><p>学校現場での教員から大手学習塾、大手通信制高校を経てドワンゴに参画。教育業界に30年以上従事。

奥平 博一(おくひら ひろかず)

N高等学校校長

カドカワ学校設立準備室メンバー

学校現場での教員から大手学習塾、大手通信制高校を経てドワンゴに参画。教育業界に30年以上従事。

 教育界に身を置いて30年以上になる。このうち直近の16年は通信制高校に携わり、通信制の可能性を信じて活動してきた。今回、カドカワが通信制高校を作ると聞き、事業の立ち上げから参画している。自分たちが教育の世界だけではやれなかったことがやれるのではないか、と非常に興味深く、面白く感じたからだ。

 教育は世の中に子供たちを送り出す使命を持つ。しかし、いまの学校教育が十分その役割を果たしているのか疑問に思ってきた。今回、企業側、中でもドワンゴを含め、若い技術者を多く抱えるカドカワグループが、教育に関わっていくことに意義があると感じた。世の中でいま、こんな人材が必要とされていることを積極的に発信している。具体的なことはこれからだが、大いに可能性があると思っている。

――いまの学校教育について、どんな問題意識をお持ちなのでしょう。

 通信制高校は学校の数も増えているし、生徒の数も微増傾向にある。全体の子供の数が減っているから、比率は増えているのではないか。なぜ増えているかといえば、子供が学校に通えない事情が多様になっているからだ。経済的な事情や家庭の事情、それに不登校の問題もある。いまの教育制度では、救いきれない子供たちがたくさんいる。これは社会環境の変化に伴う問題といえる。

 もう1つは学校自体の問題だ。昔は学校に行けば、テレビがあり、当時としては最新鋭の音響設備などがあり、子供たちの知的好奇心を満たしていた。しかし、ネット時代のいま、学校は一番遅れているのではないか。生徒のほうが何でも先に知っている。

 ハード面だけではない。コンテンツを使いこなすというソフト面でも同様だ。紙に印刷された教科書だけでは対応できない。先生も単に自分が勉強してきたものを発信するだけではダメ。全世界から情報を引っ張ってきて、それをわかりやすく編集・加工して生徒に伝えるという風に、役割を変えていかなければいけない。

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