なぜこれほどまでに急速にこの概念が浸透してきたのか、それが意味することは何か? 理解するためにはデジタルデバイスの浸透と、それに伴うコミュニケーションの進化を認識する必要がある。そもそもデジタルの特性とは何か。
デジタルの特性が対話の質を向上させる
特性1:相手に応じた内容の出し分けが可能(最適性)
インターネットではページを見る相手によって自動出し分けが可能。各人が自分専用にカスタマイズされたかのように感じるページを自動的に一定のアルゴリズムから生成できる
特性2:場所を問わずリーチが可能(即時性)
スマホの浸透により、どこの場所からでもネットへの接続が可能となり、いつでもどこでもアクセスできるメディアとなった。このため隙間時間を埋める形で急速にメディアとしての接触時間が増大(図表2)
特性3:莫大な情報をテキストや動画により伝達可能(細部伝達性)
即時性と相まって、時間をかけられる時、時間をかけても知りたいときにリーチし、十分な情報を文字情報で整理し提供可能
特性4:間に媒介者を置かず、ダイレクトなコミュニケーションが可能(直接性)
何を伝えたいかを自らで全て決め・届けたい相手も選定、伝達することが可能
これら4つのデジタル特性がコミュニケーションの質を飛躍的に向上させ、「対話」を起点とするEngagementを可能にした。
図表2 メディアへの1日の接触時間とメディア別割合
出典:博報堂DYメディアパートナーズ