上杉鷹山 リーダーの要諦

J・F・ケネディが尊敬した政治家・上杉鷹山 佃総合経営事務所 代表 佃 律志 氏

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「マズローの欲求五段階説」で鷹山の改革手腕を説明

 鷹山の動機づけを「マズローの欲求五段階説」と比較して検証してみると、適合する部分の多いことがわかります。マズローは欲求を図のように5段階に層別して「下位の欲求が満たされて、初めて上位の欲求が満たされる」と言っています。

図 マズローの欲求五段階説

(出所)『品質管理がわかる本』佃律志著、日本能率協会マネジメントセンター、63頁</p><p>

(出所)『品質管理がわかる本』佃律志著、日本能率協会マネジメントセンター、63頁

 中級藩士の三手組は、鉄砲の披露争いをした馬廻組と五十騎組の他に、名将直江兼続(かねつぐ)の流れをくむ与板組で構成されています。

 三手組のほとんどの藩士の俸禄は二十五石と決まっていますが、出世して重職に就くと、三百石近くの俸禄をもらう者も出てきます。役職を解かれると俸禄は段階的に減り、孫の代になると元の二十五石にもどります。

 戦のあったときは前線で活躍した中核の藩士たちで、戦功に応じて俸禄を上げることも可能でした。戦がなくなって久しく、高い俸禄の約束されている上級藩士と違って収入アップの道は限られています。収入を上げるためにより良い役職に就こうと努力し、勤務に対する意欲の最も高かったのが三手組だったのです。

 マズローの欲求五段階説で見ていきますと、鷹山が藩主になったとき、米沢藩の人口は貧しさのため減る一方だったので、領民の一部は最下位の「生理的欲求」の段階でした。食べることもままならぬ人が藩から抜けていくのは当然のことです。

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