ずっと売れる!ストーリー

ボルヴィックに「唯一の価値」与えたストーリーの魔法 湘南ストーリーブランディング研究所 川上徹也 氏

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 広告を見ても、だいたいがイメージが優先です。採水地がいかに自然に恵まれているかを訴求することで、そこで採れた水もナチュラルなんだよ、というアプローチ。機能的な差別化はミネラルの含有率くらいです。

 そんな差別化が難しい市場で、フランス生まれのミネラルウォーターブランド「ボルヴィック」は、ストーリーを導入することで、2007年夏、売上げを大幅に伸ばしました。そのストーリーは主に、20代の若者と小さな子どもを持つ30代の主婦に強く刺さったのです。

 ボルヴィックが導入したのは、「1L for 10L(ワンリッター・フォー・テンリッター)」というタイトルのストーリーでした。みなさんもCM等で触れたことがあるでしょう。「1L for 10L」とは、文字どおり、"ボルヴィックが1L売れるたびに、アフリカで10Lの清潔で安全な水が生まれる"という意味です。具体的には、売上げの一部でユニセフの活動を支援し、アフリカで飲料水を確保するための井戸づくりとメンテナンスを行います。

 この試みは2005年にドイツでスタートし、2006年にはフランスで、そして2007年から日本でも実施されました。ユニセフとのパートナーシップで、ドイツではエチオピアを、フランスではニジェールを、日本ではマリを支援するという形を取っています。生活者側の視点に立てば、ボルヴィックを買えば、アフリカの人々を助ける社会貢献に参加できるということです。ボルヴィックのサイトでは、「あなたがボルヴィックを飲むたびに、アフリカで笑顔がまた増えます」という表現がされています。

 前述したように、ミネラルウォーターは、違いがわかりにくい上にブランドに対するロイヤリティが少ない商品です。そんな中、ボルヴィックが行ったこのプログラムは、他社と明確な差別化をすることに成功しました。

 実際にキャンペーンを行なった2007年7月8月は、前年対比134%の売上げを記録しました。またブログなどでの反響も大きく、多くの人が「どうせ買うなら、ボルヴィック」と好意的に書きしるしたのです。

ボルヴィックのストーリーはどこが優れているのか?

 CSR活動の一環として、ユニセフなどに寄付をしている企業は多いはず。なのにどうして、ボルヴィックのストーリーは多くの人々に共感を呼んだのでしょうか?

 もちろんテレビCMなどで大々的に告知しているなどの要因もありますが、それだけではありません。

 ストーリーの組み立て方がとてもうまいのです!

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