電子部品 営業利益率20%のビジネスモデル

ニッチの村田製作所 vs 多角化の京セラ フロンティア・マネジメント執行役員 村田朋博氏

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 とはいえ、携帯電話(スマートフォン含む)の波は予想外に大きな波でした。現在、世界で携帯電話が1台販売されるたびに、村田製作所の部品が350円程度売れることに等しくなっています。スマートフォンの高度化はまだ進むことが見込まれ、今しばらくはこの金額は増加しそうですが、もう8合目までは来ているでしょう。スマートフォンの次の波にも乗ることができるか、もしくは波を自ら創出できるかどうかが注目されています。

 もちろん、同社が一番そのことを認識しており、医療、エネルギーなど新規分野の拡大を急いでいます。同時に、既存事業のさらなる強化も期待されるところです。「ニッチ指数」が70~80%ということは、逆に言えば、3000億円程度の売上高が世界1位でない製品ということになります。世界1位ではない製品には、「健全な下位製品」と「健全ではない下位製品」があり、より研ぎ澄まされた企業になっていただきたい! と祈願いたします。例えば、2016年1月に公表された、米国バーンズへの「トリマポテンションメータ事業」の譲渡はそれに該当するものと言えます。

非ニッチ展開は簡単ではない

 一方、京セラの事業展開を見てみましょう。

 同社の営業利益は大きく分けると、「セラミックス」「電子部品」「通信機器(主に携帯電話)」「情報機器(プリンタ、コピー)」に分けて公表されており、2015年3月期の業績は図表2のようになっています。

図表2 京セラの事業別業績

注:各事業の合計は、本社、その他事業、消去などにより全社業績とは一致しない。</p><p>出所:公表資料により筆者作成

注:各事業の合計は、本社、その他事業、消去などにより全社業績とは一致しない。

出所:公表資料により筆者作成

 もし、京セラが今も「セラミックス(※3)」と「電子部品」だけの企業であったなら、売上高9000億円と現在の60%にすぎませんが、営業利益は現在とさほど変わりません。これだけを見ると、多角化の努力をしたことが報われていないことになります。情報機器の成功を通信機器の損失が打ち消してしまっているためです。

(※3)「セラミックス」事業の営業利益率は9%とさほど高くないのですが、太陽光発電やプラスティックパッケージなど、厳密にはセラミックスに該当しない事業が分類されており、それらを除けば営業利益率15%程度。特に、祖業セラミック・パッケージでは今でも世界占有率70%を持ち、営業利益率25%程度でしょう。

 しかし、持ち分比率が低いため損益計算書に反映されませんが、京セラの多角化は損益計算書以上に成功しています。

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