電子部品 営業利益率20%のビジネスモデル

自らを制限し、勝てるニッチを見極めよ フロンティア・マネジメント執行役員 村田朋博氏

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 利益は「人と違うことに対して払われる対価」と定義することができます。「違う」ことを「ニッチ」と言います。ニッチの本来的な意味は「生物学的地位」のこと。他者(他社)と競争することなく、自分(自社)だけが生存する「場所」「生き方」のことを指します。高い利益率を記録している優れた企業は、生物同様にニッチ思考をしています。同質競争を回避し、ニッチをいかに創出するか。電子部品企業から、その秘密を探ります。

利益率は技術力ではなく力関係で決まる

 ネットスケープで勤務後、起業し成功したベン・ホロウィッツ氏は、以下のように書いています(『HARD THINGS』〈日経BP社〉)。

 「1998年の末、われわれはマイクロソフトからすさまじい圧力を受けていた。マイクロソフトはOS市場を事実上独占している強みを最大限に活かして、あらゆるジャンルのソフトウエアをウィンドウズに無料でバンドルし、ライバルをたたきつぶしにかかっていた。ネットスケープはその攻撃をまともに浴びた一社だった」

 過去、表計算ソフトのロータス1-2-3、文書作成ソフトの一太郎、インターネット検索ソフトのネットスケープ......など隆盛を誇ったソフトウエアがありましたが、すべて駆逐され、現在、我々の選択肢はないに等しい状況です。

 なぜ独占禁止法があるのでしょうか。言うまでもありません。市場を独占した企業は何をするかわからない! からです。値上げしようが、好きな時に休業しようが、はたまた気に入らない顧客には売らないことも可能です。どんな利益率でも可能でしょう。これは健全とは言えません。

 逆に、企業の立場から言えば、寡占・独占ほど甘美なものはありません。筆者は、突き詰めれば、利益率は力関係で決まると考えています。とても食べられないような不味いラーメンとしても、町に飲食店が1軒しかなければ選択の余地はなく、そのラーメン店の価格設定、利益率は思いのままです。逆に、この世とは思えない美味しいフランス料理であっても、同じようなレベルのお店が10軒あれば、価格は損益分岐点価格まで下落し、利益を期待することはできないでしょう。

 ハイテク事業であっても同じです。

 例えば液晶テレビ。200万画素のテレビで99%の歩留まりを実現するためには、画素1つの歩留まりは99.999999%でなくてはなりません。しかも、月100万台量産しなくてはならないのです。わずか20年前、液晶テレビがブラウン管を凌駕することなどありえない、不可能だと言っている人も少なくありませんでした。そのような技術革新を成し遂げたシャープの技術者は偉大です。

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