フィンテック 金融維新へ

フィンテックが3割奪う、金融機関の収益 アクセンチュア

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 スクエア登場以前は、中小加盟店にとっては端末コストの高さや導入までの時間の長さなどの問題があった。これをスクエアは、圧倒的な低価格端末や途上中心の加盟店審査など、これまでの常識を覆すことにより市場参入を果たした。そこには何があったのか。

 テクノロジーを起点とした着想はテクノロジー企業に分があったことは分かる。しかしテクノロジー企業がいくら頑張っても、顧客から見た不満(あるいは事業の非最適化領域)がない領域に参入し成功を収めることはできない。事業起点の着想は、むしろ伝統的な金融機関にこそ分があるはずだ。しかしながら灯台下暗しとはよく言ったもので、長くその業界にいるといつの間にか目が眩んでそれまでの積み上げを常識だと考えてしまい、この事業の非最適化領域に気づかない。安定期にある企業はゲームチェンジャーになろうという発想すらないと思われる。

 スクエアの事例の場合、従来のクレジットカード会社は、小規模加盟店において、コスト面や導入期間の長さなどが原因でクレジットカード決済の普及にハードルがあることを認識してきた。

 さらに、このようなハードルを越えて導入を果たした店舗の採算が合わないことを放置してきた。従来のクレジットカード会社は、こういった特定セグメントにおいて事業運営が最適化されていないことを認識した上で、それを常識として受け入れてきたのだ。

 テクノロジー企業に市場参入を許した理由、逆にいえば金融機関発のフィンテックを生み出せなかった理由は、一つには、テクノロジーに対するアンテナや知見の低さ、もう一つはその本業である金融ビジネスモデルに対する自己点検の甘さである。

アクセンチュア 著 『フィンテック 金融維新へ』(日本経済新聞出版社、2016年)第3章「機会:いかにフィンテックを捉えるか」から
アクセンチュア
 ストラテジー、コンサルティング、デジタル、テクノロジー、オペレーションズの5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供する世界最大級の総合コンサルティング企業。世界最大規模のデリバリーネットワークに裏打ちされた、40を超す業界とあらゆる業務に対応可能な経験と専門スキルなどの強みを活かし、ビジネスとテクノロジーに融合させて、顧客企業のハイパフォーマンス実現と持続可能な価値創出を支援。世界120カ国以上の顧客にサービスを提供するおよそ37万3000人の社員が、イノベーションの創出と、世界中の人々のより豊かな生活の実現に取り組んでいる。

キーワード:フィンテック、経営層、経営、経理、イノベーション、IoT、AI、技術、管理職

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