フィンテック 金融維新へ

フィンテックが3割奪う、金融機関の収益 アクセンチュア

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 結局、マネーフローだけでなく、資産価値のあるものすべてが管理されるとすれば、情報を制したもの(人工知能技術によってビッグデータを活用できるもの)が正しく顧客の状態を理解することができ、これも金融機関の専売特許ではなくなる可能性が高い。

 このように見ていくと、金融機関はまずマネーフローを失い、その結果としてすべての金融収益が刈り取りの危機に直面する未来が予想される。

<FONTBOLD />フィンテックによる金融収益の毀損リスク</FONTBOLD> 出所:アクセンチュア作成

フィンテックによる金融収益の毀損リスク 出所:アクセンチュア作成

 最後に残る一個人や一企業ではリスクが取れない大規模な投融資はどうであろうか。ここでもマネーフローを失った金融機関がその主役でいることができるだろうか。明るい未来が必ず待っていると言い切れる人はもはや少数派ではないだろうか。

フィンテックは両刃の剣

 フィンテックによりもたらされる将来シナリオが伝統的な金融機関にとって必ずしも明るいものではないことはすでに述べた。しかし、この流れは誰にも止めることはできない。ならば、どうするか。

 金融機関が少なからず異業種によって駆逐され市場から退場することは避けられないかもしれない。しかしその一方で、この脅威を機会と捉え成功を収める金融機関も出てくるであろう。

 フィンテックによる市場の変容は、等しく金融機関にも機会が与えられるはずだ。アンバンドルにより切り取られるのであれば、アンバンドル化されたサービスを活用し市場を拡大させればよい。金融プラス非金融によるリバンドルによって顧客基盤を失うのであれば、金融機関中心のエコシステムを構築して対抗すればよい。ブロックチェーンによるマネーフローの分散化が進むのであれば、産業の垣根を越えたビッグサプライチェーンを構築するなど、金融に限らないインフラビジネスの収益化を目指せばよい。

 これまでの常識に囚われて、テクノロジーはテクノロジー企業の専売特許などという考えで「できない理由」を挙げるのではなく、「どうすればできるか」という発想に立って、既存の仕組みや組織を自ら破壊していくほかないのだ。

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