フィンテック 金融維新へ

フィンテックが3割奪う、金融機関の収益 アクセンチュア

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マネーフローの分散:金融の中心が金融機関でなくなる

 さらに、この流れはブロックチェーンによって決定的なものとなる可能性がある。先ほど、金融の本質は信頼にあると述べたが、ブロックチェーンでは、その信頼が金融機関ではなくテクノロジーにより保証されるからである(ブロックチェーンの本質については『』にて説明)。上記を踏まえると、フィンテックによる変化のシナリオは次の三段階を辿ると考えられる。

<FONTBOLD />フィンテックによる金融機関の将来シナリオ</FONTBOLD> 出所:アクセンチュア作成

フィンテックによる金融機関の将来シナリオ 出所:アクセンチュア作成

 第一段階はフィンテックを伝統的な金融機関が取り込む段階だ。自らのサービスの一部とすることで、たとえば、より優れた顧客体験を持つ異業種やデジタルプレイヤーに対抗し、顧客を引き留めておくことが可能になる。もちろん、この取り組み自体は非常に重要で、新規参入プレイヤーどころか、同じ金融機関同士の競争でも、今後成否を分けることになっていくだろう。

 第二段階として考えられるのは、テクノロジーの金融機関内業務への活用である。代表的なものはブロックチェーン技術である。金融機関内あるいは複数の金融機関の間での取引においてこれが成功すれば、伝統的な金融機関はこれまで足枷となってきた巨大な勘定系とそのハンドリングから解放され、圧倒的なコスト削減を実現するとともに、顧客にもその恩恵をもたらすことができるだろう。

 最後の第三段階として考えられるのが、社会インフラとしてのブロックチェーンにより、完全にマネーフローが分散化された状態である。ブロックチェーンは参加する者の信任さえあれば、取引自体は改竄ができない信頼性の高いものとなる。この新しいネットワークを活用した取引がすべての企業や個人に可能となれば、価値の移転が金融機関を介さずに行われる可能性がある。中央機関や金融機関が信頼を与えなくとも、テクノロジーが信頼を与えるからだ。

 この段階になると、マネーフローはまさに分散する。マネーフローを失うということは、そこから得てきた決済収益を失い、さらに預金収益を失う。金融機関はマネーフローをつかむことで、ローンのマーケティングや、運用商品の販売を行ってきた。そういう意味で融資収益や運用収益も脅威にさらされている。また、ブロックチェーンはペイメントだけを革新するものではない。スマートコントラクトのような所有権移転を伴うものなど、ある一定の契約条件を管理することが可能になる。

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