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誰でも「心を奮い立たせる」リーダーになれる 火浦 俊彦氏+ベイン・アンド・カンパニー

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 2つ目の特徴は、「心を奮い立たせる」リーダーシップは「経験的に学べるもの」であるということです。

 リーダーシップ、または「心を奮い立たせる」能力はしばしば、特定の個人に生来備わっている、模倣のできない能力であると誤って理解されています。しかし、我々は調査の結果、「心を奮い立たせる」能力が意識的な努力によって向上することを確認しました。

 人を感動させ、モチベーションを引き出す――という「心を奮い立たせる」リーダーシップは、経験によって身につけることができるものなのです。

 ただ、講義を聞いたから学べるというものではありません。日々の生活の中で意識し、練習し、感じることで習得されていくのです。

 「心を奮い立たせる」能力を高めようと思うのであれば、まず自分の強みを見極める必要があるでしょう。その上で、自分が何を核としたリーダーシップを築きたいのか周囲に説明し、定期的にフィードバックをもらう必要があります。

心を奮い立たせる方法や要素は1つではない

 「心を奮い立たせる」リーダーシップの3つ目の特徴は、そのスタイルが「一人ひとり異なる」という点です。

 現行のリーダーシッププログラムの多くは1つの正解を規定し、それを習得することを目指しますが、「心を奮い立たせる」方法は1つではないのです。

 実際、ベインが行った調査でも、「心を奮い立たせる」リーダーのイメージは千差万別でした。スティーブ・ジョブズ氏(米アップル創業者)のように表に立つリーダーもいれば、山本五十六氏(連合艦隊司令長官)のように後ろから支えるリーダーもありうるのです。

 幸いにも、私は今まで関わったプロジェクトの中で、多くの「心を奮い立たせる」最高経営責任者(CEO)とお会いする機会を持ちました。例を挙げればきりがありませんが、その「心を奮い立たせる」能力において対照的な2人について記したいと思います。

 ある小売業のCEOは、その責任感の強さと、それを行動に移す言行一致の姿勢によって人の心をとらえる方でした。彼が就任するまで、やらなければならないものの困難だという理由で、多くの課題が後回しにされていました。

 彼はそれらの課題一つひとつに、自ら率先して取り組んでいきました。その姿勢は、外部のコンサルタントである私ですら、この人のために仕事がしたいと思うような、強い感銘を受けるものでした。

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