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誰でも「心を奮い立たせる」リーダーになれる 火浦 俊彦氏+ベイン・アンド・カンパニー

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フォロワー目線で洗い出された32個のリーダーシップ要素

 経営学者のピーター・ドラッカー氏はリーダーシップについて、極めて明快に「フォロワーがいること」と定義しています。しかし、世の中のリーダーシッププログラムをみてみると、その多くがトップダウンで、フォロワー目線のないプログラムであることに驚かされます。

 「心を奮い立たせる」リーダーシップの要石としてどのような要素があるかを考えるにあたり、我々はまずフォロワーにインタビューをすることから始めました。なぜ人々は特定の他者をリーダーとして尊敬し、追随したいと思うのか、自分にとって「心を奮い立たせる」リーダーは誰で彼らのどの側面が心を奮わせるのかを、率直に聞いていったのです。

 その中で洗い出されたのが、「心を奮い立たせる」リーダーシップの要石となる32の要素です(図表1)。

図表1 インスピレーショナル・リーダーシップの核となる要素

出所:ベイン・アンド・カンパニー

出所:ベイン・アンド・カンパニー

 フォロワーからの目線で、かつ定量的・分析的に洗い出されたこれらの要素は、普遍的にリーダーシップを考える上で要石になると考えられます。また、個々の企業の従業員に回答者を絞って、同様のインタビューや分析をすることにより、それぞれの会社に合ったリーダーシップ要素に調整することもできるでしょう。

自身の平静を保ち、3~4の中核要素を見つけて育む

 「心を奮い立たせる」リーダーシップのためにもう1つ重要なのが、「自身の平静を保つ」ことです。人前に立って話をする時、他者から思いもよらぬ言葉を投げつけられた時、人は緊張または動揺し、結果として舞い上がったり怒りに震えたりします。

 このような状況においては、その人は通常通りの受け答えができていないと考えられます。どんなに「心を奮い立たせる」能力に長けていたとしても、それが発揮できない状態にあるわけです。

 「心を奮い立たせる」リーダーシップを正しく発揮するためには、平静を保つことがことさら重要になります。前項で説明した32のリーダーシップ要素と、この1つを合わせた33個を、我々は「心を奮い立たせる」リーダーシップの核と考えています。

 これら33の要素を1人の人間が網羅的に追求することは不可能です。また、定量的に特定された32要素の中には、主体性と協調性など、一見すると相反する要素もみられます。

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