企業価値4倍のマネジメント

「絶対に勝つ」べき市場で敵を圧倒する 火浦 俊彦氏+ベイン・アンド・カンパニー 

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 これを前提とすると、この相関曲線との位置関係から企業の置かれたポジションは4つに整理されます(図表2)。それは、(1)業界首位であり、かつ相関曲線に比べて妥当ないしそれ以上の利益率を持つ、(2)業界首位ではないが、相関曲線に比べて極端に高い収益性を持つ、(3)相関曲線以下の収益性しかない、(4)業界2位以下で、相関曲線に比べて妥当な収益性を得ている、です。

図表2 競争的地位によってとるべきアクションが決まる

出所:ベイン・アンド・カンパニー

出所:ベイン・アンド・カンパニー

 それぞれについて、優先すべき戦い方は異なります。(1)は更なるシェア拡大や市場そのものの拡大、(2)はそのプレミアムの源泉となる経営資源の維持・強化、もしくはシェア獲得、(3)はオペレーション改善や不採算事業の整理による収益性の改善、(4)は更なるシェア獲得かプレミアム化が、優先戦略課題となります。

 この原則から逸脱し、たとえば(3)のように市場シェアに見合った収益性を獲得できていない企業が、収益性の改善よりも成長を優先した場合、その低収益性の背後にある課題がさらに深刻化し、持続的成長は困難になる可能性が高くなります。

 市場や競合の分析から、自社の相対市場シェアとそれが示唆する妥当な収益性、現状の収益性との関係を理解することが、自社の優先戦略課題特定の第一歩となります。

市場リーダーは目指すべき水準も戦略の自由度も異なる

 圧倒的な市場シェアは、圧倒的な投資効率や収益性の実現を可能にします。業界2位プレーヤーの2.5倍以上のシェアを持つ圧倒的業界リーダー企業は業界の平均資本コストの2倍のリターンを創出し、逆にトップの半分以下のシェアしかない追随企業のリターンは資本コストの半分以下しかないという調査結果があるほどです(図表3)。

図表3 コア事業におけるリーダーシップは経済的価値を増大させる

注:80以上の市場の600社以上の平均<br /></p><p>出所:Capital IQ、ベイン分析

注:80以上の市場の600社以上の平均

出所:Capital IQ、ベイン分析

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