AIはあなたのビジネスをどう変えるか

自前主義からオープンな集合知の活用へ ペンシルベニア大学・ビジェイ・クマール学部長×ドリームインキュベータ・山川隆義社長 対談

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 AI(人工知能)などの先端技術をビジネスに取り込むための方策を探る、ペンシルベニア大学工学応用科学部のビジェイ・クマール学部長と、ドリームインキュベータの山川隆義社長との対談。最終回はオールド・エコノミーとニュー・エコノミーのギャップを論じます。

セッション3:オールド・エコノミーとニュー・エコノミーのギャップ(自前主義vs.集合知)

ソフトウェア的な発想とハードウェア的な発想の違い

山川 「セッション2:日本と米国(海外)のギャップ」で話題になった日本と米国の違いは、日本と米国の文化の違いによるものなのでしょうか。それとも、ハードウェア的発想とソフトウェア的発想の違いによるものなのでしょうか。

 ソフトウェア的発想では、まずはベータ版を出してみて、そこから製品を改良していくのが良しとされますが、ハードウェア的発想では、製品は緻密な「カイゼン」の末に出されるべきだとされています。日本人はハードウェアの文化に影響を受けていますが、例えば、あなたのような米国の研究者とビジネスを進めていく際にも、そのことがなんらかの影響を及ぼしているのでしょうか。

クマール 確かにハードウェアとソフトウェアの発想の違いはあると思います。ただ、それ以上に、モノづくりが中心であったオールド・エコノミーと、ネットの登場によって多様なビジネスモデルが展開されるようになったニュー・エコノミーの違いのほうが大きいように思います。

山川 オールド・エコノミーの時代には、時間をかけて、自社できっちりと商品を作り込んでから、市場に出せばよかった。ところが、ネットが登場してニュー・エコノミーの時代になると、すぐに商品を市場に出して、そこから製品を改良できるようになった、ということですね。

クマール ソフトウェア的な発想の1つの特徴は、あるアイデアを取り入れ、実行し、テストする時間がとても短いということです。「うまくいかないな。じゃあ、リデザインするぞ」というサイクルを短いスパンで回していかなければならないのです。

ニュー・エコノミーの時代における付加価値の付け方

山川 ソフトウェア的発想ということに関して付け加えると、これからは、世界中のソフト開発デベロッパーを、いかに味方につけるかが重要になってきたと感じます。自社でコアの部分は開発するわけですが、周辺のインターフェースやツールを外部のデベロッパーに開放し、彼らに使ってもらうわけです。製品をリリースしたら、彼らから一気にフィードバックが来て、あっという間に改善されてしまう。こうなってくると、どれだけ周辺に多数のサポートしてくれるデベロッパーがいるか? というのも大きな指標になってくるように思います。

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