AIはあなたのビジネスをどう変えるか

米国の最先端技術や人材から日本が学ぶこと ペンシルベニア大学・ビジェイ・クマール学部長 × ドリームインキュベータ・山川隆義社長 対談

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山川 まったくその通りだと思います。具体的にはどのような棲み分けをしているのでしょうか。

ビジェイ・クマール学部長

ビジェイ・クマール学部長

クマール コラボレーションする際には、あなたが開発したものはあなたのもの、私が開発したものは私のもの、それを合わせて開発したものは両社の共同所有ということになります。共同保有の特許については、相手に許可を取らずに、工場や研究室でその開発した技術を使うことができるという契約を結んだりしています。これによって、コラボレーションの障壁が下がり、複雑な契約を結ぶ場合に必要な多くの時間を浪費せずに済みます。

山川 なるほど。コラボレーションに対して前向きな考えを持ち、しっかりと自分の意見を発信していく一方で、情報公開に関する明確な原理・原則を持つことが大事なのですね。

人と人とのつながりが最先端のビジネスに不可欠

山川 以上の話を踏まえると、日本の企業が最先端の企業や大学とコラボレーションする際には仲介者が必要になるのではないかと考えています。例えば、中国企業などはその点どうなっているのでしょうか。MIT(マサチューセッツ工科大学)では中国人の学生がいて、中国企業がMITとコンタクトを取りたい時に、留学生たちが交渉の手伝いをしていると聞いたことがあります。

クマール そうですね。ペノベーション・センターに申し込んできた中国企業も、私の元教え子をたどってきていました。そのため、中国企業は我々の取り組みや研究内容をあらかじめ理解しており、スムーズに話を進めることができました。

山川 確かに、彼らが仲介をすれば、話し合いの土台ができ上がったうえで進むため、やりやすくなりますね。

クマール ネットワーキングの重要性は大きいと思います。EメールやSNS(交流サイト)など様々な情報伝達ツールがありますが、信頼構築において、対面での親密な関係に勝るものはないと思います。親密な対面をつくるうえで、単なる仲介にとどまらないプロデューサーの役割は重要になると思います。

 実際、私が日本の政府や大企業と話を進める上で、ドリームインキュベータの存在はとても役に立ちました。文化が違う中で双方の文化を理解している人が必要だと思いますし、しかもそれが、信頼をベースにしたネットワークに基づいており、中身も理解してくれていたので、ライト・パーソン(適切な人材)と出会うことができました。

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