AIはあなたのビジネスをどう変えるか

米国の最先端技術や人材から日本が学ぶこと ペンシルベニア大学・ビジェイ・クマール学部長 × ドリームインキュベータ・山川隆義社長 対談

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 AI(人工知能)などの先端技術をビジネスに取り込むための方策を探る、ペンシルベニア大学工学応用科学部のビジェイ・クマール学部長と、株式会社ドリームインキュベータの山川隆義社長との対談。2回目は日本と米国の間に横たわるギャップがテーマです。

セッション2:日本と米国(海外)のギャップ

トレンドや人材を求め"カッティングエッジ"にアクセス

山川 今回は、日本企業が最先端の技術や人材、いわゆるカッティングエッジとコラボレーションする際に意識すべき点について、議論していこうと思います。「セッション1:技術と経営のギャップ」でも少し触れましたが、クマールさんの所属するペンシルベニア大学がこの8月に開設した「ペノベーション・センター」では、研究者、大企業、ベンチャーが1つの建物に同居し、技術の共同研究や開発、情報交換をしているとおうかがいしました。このペノベーション・センターにはどういった企業が訪問・入居しているのでしょうか。

クマール もちろん、多くの技術系の企業が頻繁に訪れます。しかし、特筆すべきは、ロボットやAI(人工知能)とは全く関係ない企業がペノベーション・センターを訪問し、中には入居している企業もあるということです。

山川 具体的にはどのような企業が入居しているのですか。

クマール 例えばグローバル大手製菓会社であるハーシーがペノベーション・センターに入居します。ロボティクスには関係ありませんが、次に起こる変化を知り、優秀な人材と交流するために来ているのです。また、大手ケーブル会社は、コンテンツマネジメントに注目しており、メディアコミュニケーションの未来や最新の技術を知るために来ています。大手投資信託会社も、金融業界に技術革新が起こることを予期し、ロボットやAIで何ができるのかを知ることで、自らの業界に役立たせようとしています。

出所:ペノべーション・センターHP。センター内の画像はイメージ図。

出所:ペノべーション・センターHP。センター内の画像はイメージ図。

注:ペノベーションセンタ―入居企業リスト(9月8日段階):クアルコム、ハーシーなど、多様な企業が入居中。他企業例:Penn Center for Innovation Ventures (PCIV)、Cognitive Operating systems (COSY)、Liquid Biotech、Blue Penn Biomarkers、Mentor Tech。

米企業の最先端のプレイヤーとのかかわり方から学べること

山川 ロボティクスやAIに関係のない企業が来ているのは驚きです。そのような企業が、ペノベーション・センターや、クマールさんの研究室を訪れる際には、どのように振る舞うのでしょうか。日本企業は自己紹介をして、技術を見学し、いくつかの質問をしたら、そのあとビジネスへの進展がないまま終了することがよくあります。

クマール そうですね。まず、そもそも今年の4月から8月までにペノベーション・センターには米企業のみならず世界から18社の入居申し込みがありました。特に、ベンチャーなどは意思決定が早く、見学したその日のうちに入居を決め、翌日には入金されていましたね。

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