AIはあなたのビジネスをどう変えるか

AIは技術と経営を橋渡しするツール ペンシルベニア大学・ビジェイ・クマール学部長 × ドリームインキュベータ・山川隆義社長 対談

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山川 ところで、クマールさんは2003年に半年間、東京工業大学にいらっしゃったとお聞きしましたが、日本の状況についてはどう思われますか。

クマール 私は日本の組織についてはあまり知っているわけではありませんが、表層的な印象だと、日本の組織は少し階層的で、縦割りであるように思います。そのために、例えば部署間を横断するような対話が十分ではなかったりするのではないでしょうか。それが、自分の専門の技術以外のことを学ぶ上での妨げになっているのかもしれません。

 ペンシルベニア大学でオープン・イノベーションの創出のために作られた「ペノベーション・センター」では、私を含め学生や研究者には個室が割り当てられていません。そのような環境の中で、異なる分野を専門とする研究者や企業が共同で研究を行っています。これは、自分の専門外についての知見を得て、視野を広げるにはとても良い環境です。ペノベーション・センターについてはセッション2で詳しくお話しします。

山川 おっしゃる通りで、日本の企業には、自分の所属する業界や部署の中で与えられたルールを身に着けることが、成功への近道だと思い込んでいる人が多いように思います。自分の周りにいる人だけが、情報源であってはなりません。自分が所属している部門、会社、業界だけではなく、世界中で多くの優れた人が日々技術を開発し、磨いているわけですから、広く世界の技術に目を向けていくということがCTOに求められる時代になったと思います。

クマール そのとおりだと思います。たとえどのような環境であっても、1つのことしか学ぶ余裕がない、などということはないと思います。これからは、自分の専門分野を深く知るだけではなく、他の様々な分野も一定のレベルで知っておくことが求められるようになると思います。

ビジェイ・クマール Vijay Kumar
ペンシルベニア大学 工学・応用科学学部 学部長

インド工科大学カーンプル校機械工学科卒。米オハイオ州立大学博士(機械工学)。専門はロボティクス、中でもmulti-robot systemおよびmicro aerial vehicle。IEEE Transactions on Robotics and Automationはじめ多数の学術誌の編集委員を務め、米ホワイトハウスの科学技術顧問を歴任。2015年より現職。ドリームインキュベータ戦略的アドバイザー。
山川 隆義(やまかわ たかよし)
ドリームインキュベータ代表取締役社長

京都大学大学院工学部精密工学修士課程修了。横河ヒューレットパッカード(現・日本HP)、ボストンコンサルティンググループを経てドリームインキュベータ設立に参画。以来、ベンチャー投資・育成、大企業コンサルティングともに、数多くのプロジェクトに従事。「日本の強みを世界に展開」するため、新規ビジネスの創出、新たなビジネスモデルの発掘に取り組む。

キーワード:経営層、管理職、技術、製造、イノベーション、AI、IoT、ICT

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