AIはあなたのビジネスをどう変えるか

AIは技術と経営を橋渡しするツール ペンシルベニア大学・ビジェイ・クマール学部長 × ドリームインキュベータ・山川隆義社長 対談

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AIの取り込み方は、ビジネスの特性に応じて設計

山川 AIやディープ・ラーニングをビジネスに応用した事例などがあれば、ぜひお聞きしたいです。

クマール エンターテインメント業界を例にとりましょう。Anki Driveという、iPhoneをリモコンとして使って遊ぶ、おもちゃのクルマのレースゲームがあるのですが、クルマにはAIが搭載されていて、AIが運転するクルマとレースで戦うことができます。

 そのAIは、世界中の人々の膨大な操作のデータを集めて解析し、ディープ・ラーニングによって最適な運転の仕方を学んでいるのです。これはオモチャの話ですが、ディープ・ラーニングが娯楽性を高めた面白い事例だと思います。

山川隆義社長

山川隆義社長

山川 多くの人間のノウハウが集められて、それがディープ・ラーニングによって増強され、人間を超えるAIが登場する。これは非常に面白い事例ですね。

 一方で、同じエンターテイメント業界の中でも、高度なディープ・ラーニングというところまでいかなくても、単純なデータだけで十分に大きなインパクトを残せる場合があると思います。

クマール そういうこともありますね。

山川 アーティストやプロモーターが、自分のファンや顧客のデータを集めることができるようになると、様々なビジネスの機会が生まれます。例えば、ラスベガスで人気アーティストのライブが行われるとします。電子チケットデータさえあれば、誰がどの席を予約したかだけではなく、「いつ」「誰が」「どこから」「どこへ」移動するかも同時に予測可能です。過去に購入したグッズは何か、過去にどれだけライブに参加したかもわかります。航空券やホテルを事前に手配してあげるなど、様々なマネタイズの手段が考えられます。

 こうしたことは、これまでノウハウで行われていたのですが、コンピューティングとデータ分析技術を導入することで、アーティストとファンの双方が、「ライブに行く」というプロセス全体を、より良いものにすることができるのではないかと思います。

技術と経営の橋渡しに必要なこと

山川 ここで1つ質問があるのですが、日本では、R&D(研究開発)部門のトップがCTO(最高技術責任者)を務める場合が多いのですが、彼らは必ずしもビジネスの経験を持っているわけではありません。何か良いアドバイスはありますか。

クマール 米国でも似たような状況で、CTOは技術系のバックグラウンドはあるものの、必ずしもマネジメントの経験があるわけではないことが見受けられます。しかしながら、これからの世界を生き抜くために、CTOは技術だけではなく、マネジメントのスキルも持たなければなりません。

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