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そのコンサル、財務的成果を出せる人物か 長谷部智也

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 こういったかたちで、各ステップにおいて現場が取るべき鍵となるアクションを特定し、それをしっかりとかみ砕いて現場に落とし込むことで、初めて財務成果につながる改善アクションがなされるようになる。

ベストプラクティスを抽出し、「コピー可能」な状態までかみ砕く

 コンサルタントは、まずは現場の様々な活動の量と、本社の財務データを活用した定量分析から、アクションと財務的成果の因果関係を綿密に解明し、活動量を増やすことで財務的成果につながる現場のアクションを特定する。同時に、財務的成果が出る活動やその兆候を、現場のベストプラクティスから抽出する。また、それぞれのベストプラクティスが全社に展開できた場合の効果を、適切な規模感で推計する。

 そして、ベストプラクティスの行動を定型化し、他の現場でも同じ行動が極力「コピー可能」な状態にする。アクションのステップをかみ砕いて標準化、マニュアル化するのである。その標準化した手法を他の現場でトライしてみる。

 その際に、各現場でのアクションの回数を管理する。すると、少しずついままでとは異なった結果がそれぞれの現場で出始める。結果が出ないところでは、再度原因分析を行う。各現場での日々の結果を吸い上げて振り返り、さらにベストプラクティスを進化させる。

 こういった学習サイクルを確立することで、次第に財務的成果につながるKPI管理の仕組みが実現される。

 結局、実現したい状態というのは、業績に大きな影響を及ぼすアクションが、現場で確実に行われること、現場の個々人が各自の持ち場で果たすべき役割を完遂すること、日々の業績の結果と埋めるべきギャップ、問題点、求められる行動が分かり、現場で適切な軌道修正ができること、個々人の経験、得手不得手、着眼点のばらつきによる業績のばらつきを生じさせないために、本社側が側面的な支援をできる状態になっていることである。

 こういったサイクルが回り始めると、個々人が業績に直結した重要な活動に従事しているという誇りと自覚を持つことができ、そうした各種の活動が財務的結果に表れて、それが正しく評価される、という好循環になる。

 財務的なKPIだけだと、あくまで最終結果の後追いに過ぎず、早期の課題の原因解明ができない。財務的なKPIだけだと、課題を発見して正しいアクションに結びつけることが難しく、課題の予兆を察して適切な予防策を打つこともできない。従って財務的成果の着地見込みが立たない。そのため、財務的成果と紐付いたアクションに関するKPIの特定と管理が重要なのである。

「明日の朝から」手足が動くかを厳しく問うべき

 コンサルタントから提言を受けたときに、いま言われたことが「明日の朝から」自社の現場が実行に移せる、意味のある「アクション」かどうか。自分が現場で働いている姿を想像して「手足が動く」ことをコンサルタントが言っているかどうかを、プレゼンテーションを聞いている際に、プレゼン資料の一字一句を熟読しながら、しつこく問うてみることが重要である。

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