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そのコンサル、財務的成果を出せる人物か 長谷部智也

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 最終的に達成したい財務成果は店舗の利益であり、それをつくる要素は財務的には店舗の売上、粗利、人件費、物件費である。しかしながら、こういった店ごとの財務指標を見て、本社が店長のお尻を叩いているだけでは、なかなか現場のアクションの改善を促すことはできない。叩かれて改善するものであれば、とっくの昔に改善しているはずである。

 また、財務成果の手前の中間指標である購買客数、客あたり購買点数、購買金額、品番別売上高、在庫回転率、定価で販売できた消化率、割引・廃棄率なども、当然ながら精緻に見るべき重要な指標であるが、これを厳格に管理だけしても、現場の一挙手一投足が正しい方向に動くとは限らない。

 店の前を通るところから実際に購買するまで、(1)から(5)までの各ステップで、何が「梃入れ」できるのか、そのうち「現場のアクション」を改善することで、実際の購入率アップにつながることは何なのかを、順を追って考えることが必要なのである。

各ステップで何が「梃入れ」できるか?

 まずは、(1)の店の前を通る100名についてであるが、これはアパレルショップが入っているショッピングモールの集客力、フロアの集客力、モール全体のイベントやプロモーションなどによって通行量は大きく変わるであろう。ここでは、個別のアパレルの店舗で改善できることはなさそうであり、本社側が適切なショッピングモールに出店する、正しい出店戦略が鍵となりそうである。

 次に(2)の、入店して店内を見て回る顧客数について。これはアパレルブランドの認知度や好感度、店の外観の雰囲気、ディスプレイの印象、店頭での声掛け、外から見た店内の雰囲気などによって、入店率は大きく変わりそうである。

 その意味で、現場のアクションとしては、整理整頓がきちんとなされていたり、声掛けで入店を誘導できているかはもちろん、例えば、時間帯別に異なる通行客層に応じて、ディスプレイを適切に変更する余地があるか、直接的な競合である同じフロアの似たようなアパレルショップと比べて、どう外観で差別化できれば入店率を上げられそうか、などについても現場レベルで考える余地がありそうである。

 (3)の実際に立ち止まって商品を手に取る段階では、もちろん商品面の魅力、デザイン、品質、トレンドを押さえつつ適切な価格かどうかが鍵となる。また、そもそもその商品の在庫が十分にあることも機会損失を抑える上では重要である。

 現場のアクションとしては、商品の特徴を押さえたトークができる準備や、適切な売れ筋の在庫の確保が徹底されていることが重要となる。

 (4)の接客を受けて試着室へ誘導される段階では、現場でできることはたくさんありそうである。好感度の高い販売スタッフが、顧客のニーズをくんだ提案力を持って、適時に顧客にアプローチをかけることができているか、顧客数に対して販売スタッフ数が十分かによって購入率は大きく変わりそうである。

 現場のアクションとしては、顧客へのアプローチの件数や試着室への誘導件数に加えて、顧客タイプ別に適切な接客トークをどれだけできたか、その前準備としてのロールプレイやコーチングを空いている時間にどれだけできたかなどが成否を握るであろう。また、最後の(5)購入段階では、決めの言葉としての「クロージングトーク」をどれだけ適切にできたかも、現場のアクションとして重要である。

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