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そのコンサル、財務的成果を出せる人物か 長谷部智也

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 極論すれば、コンサルタントが主観的に面白いと思った切り口だけを選んで、何とでも人工的に話をつくれてしまうのである。

 これはコンサルタントのつくる「面白い提言のワナ」である。1人の顧客がインタビューで言ったことも、100人の顧客が言ったことも、コンサルタントの主観、さじ加減ひとつで、提言は自由自在につくれてしまう。

 こうやって「うまく」面白さを仕込んだ提言は、プレゼンテーションの会議でのウケは良いかもしれないが、数字の組み立てが強引な場合、実際に提言を実行する段階になると、言っていたような規模の効果が全く出ないことに気付くのである。

悪意がなくても「腕が悪い」と大きな過ちに

 さすがに「ウケ狙い」のためだけに、悪意を持ってこういう操作をしているコンサルタントはいないと信じたい。しかしながら、悪意はないが腕が悪い、技がつたないコンサルタントが、物事の規模感を正しく判断できず、こういう後付けの定量化スキルを駆使して導いたものを、クライアントに提言している例があることは否定できない。

 プレゼンテーションが面白く、何となく、そうかな、これは新しいなあ、とクライアントに思わることができても、実行してみると、効果が低く、財務的成果が出ない提言になってしまっているのである。

正しいアクションを促す愚直な提言とは?

 では、どういう提言が財務的成果をもたらすのかについて話を進めたい。

 KPI(Key Performance Indicator=鍵となる業績管理指標)という言葉がある。耳慣れている方もいると思うが、会社全体として中期経営計画などで掲げた財務的な目標を実現する上で、各事業部門や各部署に課して管理する重要な指標のことである。例えば、部門別の売上、粗利、コスト、利益などが管理指標として使われるのが一般的である。

現場のアクションを管理するKPIが重要

 KPIは、部門を管理する単なるツールではなく、もう一歩踏み込んで、現場に正しいアクションを促し、財務的成果の達成を後押しするものであることが望ましい。思うような財務的成果が出ていない場合は、原因を究明し、正しいアクションを促進するツールとしてKPIが使える状態が理想である。

 そのためには、財務的な管理指標だけではなく、財務的成果につながる「現場が取るべきアクション」を特定し、それを現場で繰り返し行うことを管理するためのKPIを設定すべきである。

 例えば、営業現場であれば、収益性が高く、自社として強みを発揮できて、営業の的中率が高い顧客セグメントに対する「提案回数」などが挙げられる。

 効率的に財務的成果につながる「現場のアクション」を特定し、それをしつこくモニタリングして、現場を正しい方向に意識づけていくのである。コスト削減の実行を推進する局面では、取引金額の多いサプライヤーとの交渉の実施回数、役員対役員での交渉へのエスカレーション件数などをモニタリングすべきである。

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