マネジメントインタビュー

日本企業の興亡をかけた「垂直統合化」の戦い GFリサーチ 代表 泉田 良輔氏

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――また大赤字の決算に戻ってしまうのか。

 いや、これまでに固定費を相当削減してきたので大赤字にはならないと思う。しかし、株式市場が期待しているほどの利益は出ないかもしれない。楽観的に見ている人も多いと思うが、私は要注意だと考えている。

 楽観していいのは、米国での売上高比率が大きい企業だ。2014年は、ビジネスを展開している地域の差が大きく出る。米国では景気が回復しているので、そこに強いメーカーはうまくやっていけるだろう。一方、中国や欧州での売上高比率が高い企業の業績にはクエスチョンマークが付く。いろいろな業種について最近の決算内容を調べてみたのだが、「先進国、特に米国での業績は良く、新興国では悪い」という傾向が鮮明になっている。日本企業の中には、まだ新興国シフトを進めているところも多いと思うが、流れが変わっていることを認識してほしい。また、現在の企業経営者は新興国での事業を成功させた人も多くいる。そういう新興国での成功体験を持っている経営者が再び先進国の施策を強化しようとしたときに迅速に対応ができるかというのは疑問が残る。

 ダイキン工業は、これまで新興国で成長してきたが、すでに米国で布石を打っていて業績を伸ばしている。米家庭向け空調機器の最大手グッドマンを2012年8月に37億ドルで買収し、世界最大の空調市場である米国市場でシェアを大幅に高めていたのだ。買収のタイミングも非常に良く、為替レートでいえば現状よりも円高の時に買えたし、米国の景気回復に合わせてグッドマンの業績も伸びている。ダイキンの海外売り上げの状況は、欧州は少し良くなったとはいえ大したことはなく寝たままの状態、新興国はでこぼこ、中国は昔ほどではなくなった。米国市場の売上高比率を高めたことでうまくバランスがとれるようになった。

 2002年ごろからの10年間は新興国に投資していけばよかった。しかし、各国の金融政策のようなマクロの条件は変わると思うが、今後、新興国に継続して投資していけばいいのか、それとも先進国に振り向けるべきなのか、経営トップは相当悩んでいるところだと思う。

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