マネジメントインタビュー

製造業「復活の答え」はもう出ている、実行は今 経営共創基盤 代表取締役CEO 冨山和彦氏

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 衰退が著しい日本の製造業に、復活の道はあるのか――。この長年の課題に対し、産業再生機構などで数々の企業再生に携わってきた冨山和彦氏(経営共創基盤 代表取締役CEO)は、「もう答えは分かっている」と語り、日米欧を問わず成功した製造業の復活モデルを示す。「多くの日本メーカーが世界のトップレベルに躍り出る日は、そう遠くない」という。その一方で、日本メーカーの意思決定の遅さと、その原因となっている組織文化を鋭く指摘する。

日本メーカーの異常に低い利益率が衰退の原因

<FONTBOLD />経営共創基盤 代表取締役CEO 冨山和彦氏</FONTBOLD></p><p> ボストンコンサルティンググループ、コーポレイト ディレクション代表取締役を経て、2003年、産業再生機構に設立時から参画し、COOに就任。解散後、経営協創基盤を設立した。数多くの企業再生や経営改革に携わる。

経営共創基盤 代表取締役CEO 冨山和彦氏

 ボストンコンサルティンググループ、コーポレイト ディレクション代表取締役を経て、2003年、産業再生機構に設立時から参画し、COOに就任。解散後、経営協創基盤を設立した。数多くの企業再生や経営改革に携わる。

――アベノミクスの効果で円安に振れて、輸出を中心に製造業の決算は良くなってきているが、それをもって日本の製造業の復活と見ていいのだろうか。

 本格的に復活しているかどうかは、産業領域が近い他国の企業と比較する必要がある。新興国の企業は発展段階が違うので単純に比較できないが、欧米企業の売上高利益率(ROS)あるいは株主利益率(ROE)で互角以上のレベルにならないとダメだ。しかし、日本の製造業のROSやROEは欧米企業と比べてかなり低い。

 この状況に対して、日本の製造業では「長期的な成長性を重視しているからROSやROEが低い」と説明してきた。だが実は、成長率でも日本メーカーは欧米企業に負けている。つまり、このトレードオフの議論は嘘だったことになる。少なくともこの10年間については、「利益率が低いことの言い訳」に使われてきたというのが実態だ。

 基本的に、利益率が高くないと成長率も高くならない。利益率が高くないと、将来に向けた投資が十分にできなくなるからだ。

 高度成長期の日本の製造業ではROEが平均で12~13%くらいあったと思うが、今は上場企業の平均で5%くらいしかない。欧州企業の10%台、米国企業の20%台と比べると、異常なほど低い。

 製造業は新興国メーカーの台頭により非常に競争的な環境にあるので、先進国のメーカーは先へ先へ進んでいかなければならない。一方、事業の資本集約度は高くなっていて、設備投資の金額が増えているし、将来に向けた研究開発投資も大きくなっている。だから、高収益でないと投資の負担に耐えられない。ROEが数%のレベルでは、高水準の投資を持続できるはずがない。

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