マネジメントインタビュー

日本の経営陣は"半沢直樹"のようになれるか エゴンゼンダーインターナショナル 代表取締役 佃秀昭氏

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 日本企業は以前から、「意思決定が遅い(先延ばしにする)」「現状の延長線で戦略を考えがち(変化に弱い)」「グローバル化の遅れ」など、いろいろと経営上の課題が指摘されてきた。いかにも日本的な企業文化の中から生じた課題である。

 多くの場合、社長を筆頭とする経営陣と取締役会の機能不全に原因があると言えよう。世界大手の経営人材コンサルティング会社エゴンゼンダーインターナショナル代表取締役の佃秀昭氏は、企業の本丸である経営陣が「腹をくくった半沢直樹のような集団」に変わっていく必要があると説く。社長・役員クラスの人材評価や育成支援をしてきた経験をもとに、日本企業の古い仕組みを壊し、それに代わる強い仕組みを確立すべきとする。

 カギを握る施策の1つは、役員の人事考課における「成長を促すフィードバック」だ。このフィードバックがもたらす効果は非常に大きいという。(日経BizGate)

痛快な『半沢直樹』、そこから感じるもの

――日本企業が世界の舞台で復活する条件の1つとして、もっと意思決定を的確でタイムリーなものに変えていかなければならない、との指摘がある。経営人材コンサルタントの立場から、どのように考えるか。

<FONTBOLD />エゴンゼンダーインターナショナル </p><p>代表取締役 佃秀昭氏</FONTBOLD></p><p> 東京大学卒業後、三和銀行に入行。国内営業店、国際部、国際審査部などを経て人事部部長代理となる。その後、マクラガンパートナーズアジアインクにて金融機関向けの人事コンサルティングに従事。2000年からはエゴンゼンダーインターナショナルで経営人材コンサルティング、幹部クラスの外部採用を手掛ける。2010年から現職。</p><p>

エゴンゼンダーインターナショナル

代表取締役 佃秀昭氏

 東京大学卒業後、三和銀行に入行。国内営業店、国際部、国際審査部などを経て人事部部長代理となる。その後、マクラガンパートナーズアジアインクにて金融機関向けの人事コンサルティングに従事。2000年からはエゴンゼンダーインターナショナルで経営人材コンサルティング、幹部クラスの外部採用を手掛ける。2010年から現職。

 この課題に対して、私は企業の本丸、経営陣を変えていくしかないと思っている。なんだかんだ言って、日本企業の経営陣は上下関係のしがらみや昔からの仕組みに縛られ、凝り固まっているところがある。上下関係について言えば、面従腹背になってしまっている面もある。

 ドラマの『半沢直樹』を見て視聴者が痛快に思ったのは、主人公の半沢直樹が保身のために権力におもねらず、正義を通そうとするからだろう。半沢直樹は、ダメなら出向を甘受すればいい(または銀行を辞めればいい)と腹をくくっていて潔い。

 所詮ドラマの話ではあるが、何か感じるものはあるはずだ。半沢直樹のように腹をくくれている人が、日本企業の経営陣に一体どれくらいいるのかと。だが、そういう社長・役員は残念ながら少ない。

 経営陣が的確でタイムリーな意思決定をできない理由を突き詰めると、「しがらみを断ち、腹をくくった意思決定ができるか」という点に行き着くのではないか。これは個人の資質の問題もあるが、それよりも日本企業に内在する「仕組みの問題」が大きいと考えている。

よくある話と笑ってはいけない、日本企業の出世の掟

――仕組みの問題とは何か。

 終身雇用的な日本企業の社員は、上司から評価されたら役員になって、さらに社長に評価されたら常務になって、専務になって・・・と出世していく。この過程で、本質的に社長の耳が痛くなることを言う人は偉くなれないという仕組みが出来上がっている。だから、優秀な人でも「正論」を言ってしまうと役員や社長にはなれない。早い段階ではじかれてしまうこともある。

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