マネジメントインタビュー

景気を言い訳にしない、「顧客に刺さる提案」で勝ち残る 富士通 執行役員常務 花田 吉彦氏

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 ただし、「お客さまに入り込む」ことができなければ、お客さまの本音を知り、本当のニーズにこたえていくのは難しい。東京、名古屋、大阪での長い営業経験から、「お客さまに入り込む」「地域を知る」といったことの重要性を肌で感じてきた。

 名古屋に赴任した際、ある取引先の社長さんに言われた。「名古屋は東京とは違う。正面玄関から応接室に案内され、立派なカップでコーヒーを出してもらうのは最初だけ。2回目からは勝手口から通してもらい、台所で酒を酌み交わしながら話をするのが名古屋だ」と。

 名古屋には2007年から2年間しかいなかったが、その社長さんの言われた通りだった。お客さまに入り込むと、どんどん深い話ができるようになり、そこでいろいろ相談をすると、率直に、あるいは親身になって聞いていただけた。

 その後に赴任した大阪でも、同じような経験をした。大阪では、さまざまな文化に触れ合おうと思い、西日本の有名なお祭りに片っ端から出かけた。仕事も大事だが、難しいICTの話なんかは脇に置いておいて、まずはお祭りで出会った色々な方々とコミュニケーションをとる。すると地域の特色を理解できるし、そうした形で作り上げられた人間関係が財産になると学んだ。

 もちろん、お客さまのビジネスや地域に対する理解をより深めることができても、景気が収益に影響を及ぼすのは事実である。それを否定することはできない。しかし、現在の事業環境が思わしくなかったとしても、それが未来永劫続くわけでもない。

 現に、売上高5000億円規模の準大手企業や1000億円規模の中堅企業はリーマンショックの後に投資を抑えていたが、1年ほど前からIT投資が一斉に回復してきている。こうした動きは中小企業にも広まり、私が担当する産業・流通営業グループの売上高が前年同期の実績を下回ったのは2カ月だけ。1年間のトータルでは2桁増となった。この傾向はもうしばらく継続していくとみている。

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