マネジメントインタビュー

また日本の製造業は「負けパターン」を繰り返すのか GFリサーチ 泉田良輔 氏

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 さらにGEは、インダストリアル・インターネットの取り組みによって、システムの競争における「プラットフォーム」の部分を押さえようとしている。具体的には、インフラ、サービス、アプリケーションの3つのレイヤーである(アップルのビジネスレイヤーでいえば、iOS、iTunes、App Storeなどに相当)。もしアプリレイヤーまで押さえられてしまうと、日本企業がこのプラットフォーム上でIoTサービスを展開しようとしても、主体的に行動できる範囲が限られてしまうかもしれない。

IoT標準化でイニシアチブを握れぬ日本企業

 グローバルな標準化においてイニシアチブを握れない、というのも日本企業のいつものパターンである。

 IoTでイニシアチブをとるべく、各国・各分野で推進・標準化団体が乱立しているが、最近は提携や整理が進み、全体としての方向性が見えてきた。特に、製造業におけるシステムの競争に関連した動きとして注目すべきなのは、ドイツの産官学プロジェクト「インダストリー4.0」とGE主導のIICが手を結んだことだろう。

 それぞれ、ものづくりの新しい概念を表したリファレンスアーキテクチャーとして、インダストリー4.0はRAMI 4.0(リファレンス・アーキテクチャー・モデル・インダストリー4.0)、IICはIIRA(インダストリアル・インターネット・リファレンス・アーキテクチャー)を描いているが、その各レイヤーを相互につなげ、すり合わせようとしている。今年6月に日本でIICのカンファレンスが開催されたので参加してみたら、次のスライドを使ってRAMI 4.0とIIRAの相互連携を説明していた。

インダストリー4.0とIIC、リファレンスアーキテクチャーの連携

出所:インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)

出所:インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)

 これまで、インダストリー4.0は「ものづくり」を志向し、インダストリアル・インターネットは「出荷した製品へのサービス」を志向してきたため、異なる性格のものと考えられてきた。しかし、インダストリー4.0とインダストリアル・インターネットがつながることで、ものづくりからサービスまで一気通貫で扱おうとする取り組みになった。また一歩先に進もうとしている。

 そもそもドイツと米国で特に仲が良いわけではなく、互いにすみ分けるものと考えていたのだが、結果的には簡単に手を組んでしまった。現時点ではワーキンググループですり合わせを始めたばかりなので、今日、明日に何かが起こるわけではないが、今後の成り行きから目が離せない。

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