「ベテラン社員」がイキイキ動き出すマネジメント

マネジメントってこういうことだったのか 組織開発コンサルタント 片岡裕司

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コミュニケーションの難しさを痛感する

 若井です。ある日、私が職場の休憩室の前を通りかかると、課のメンバーの井上さんと植田さんが話をしていました。内容は来月から始まる新商品のプロモーション担当が高木さんのはずだが進んでいないのではないかというものでした。以前だったら、

 「またいつもの、ギリギリまで引っ張って『できません!』のパターンか」

 とふたりの話に乗るところですが、今日は、無意識だったものの、まったく違う言葉が口から出てきました。

 「高木さんは今、いろいろ一生懸命やっているから、進んでいないということはないはずです。考えすぎだと思うけれど、ゆとりがあるなら少しフォローが必要ないか聞いてみてください」

 井上さんも、植田さんも、聞き慣れない言葉に少し驚いた様子です。

 その後、井上さん、植田さんが高木さんの仕事のフォローに入ってくれたようです。高木さんはたまたま大きな受注ができて、その納品で少し手間取っていたとのことでした。

 よく考えれば、受注が上がったことは報告を受けていたので、事前に手を打てたなと考えさせられました。さらに、そのことを井上さんと植田さんが知っていれば、変な勘ぐりをせずに済んだのかと思うと、コミュニケーションの難しさを痛感させられました。

 そんな落ち込んでいるところに、並木さんが声をかけてきました。

 「高木さんのフォローの件、ありがとうございます。よく気がつかれましたね。高木さんもとても喜んでいました」

 私と違い、並木さんはすでに高木さんの状態に気づいていたらしく、来週の会議でフォロー体制を話し合おうと思っていたということでした。こんな話を聞いて、ますます落ち込みました。

 高木さんも、どうせ並木さんが手を回したのだろうと並木さんに聞きに来たそうです。しかし、何も知らないというので、井上さん、植田さんに確認したところ、今回は私からの声がけだったという事実を知り、少し驚いたと並木さんに話していたということでした。

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