「一流」の仕事

仕事は「楽しくやる」もの 経営コンサルタント 小宮一慶 氏

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 会社員のころも、ある程度はしっかりとやっていたつもりでしたが、もっとどっぷり浸かってやっていればよかったなと、今となっては思います。もっとできたはずだからです。

 そういう点から見ていると、会社の中で指導的立場になっていく人というのは、仕事への浸かり方が違います。企画書を書くにしても、宴会の幹事を頼まれるにしても、1つひとつのことを真剣にやるのです。

 私の東京銀行時代の同期を見ていても、偉くなった人は頭の良し悪しや世渡り云々ではなく、仕事への取り組み方、浸かり方が違います。

同じやるなら熱意を持ってとことんやる

 仕事にどっぷり浸かるということを、1つ例をあげて説明しましょう。

 私の尊敬するビジネスマンの1人に、旭化成の常務をしていた能村義廣さんという方がいます。能村さんは、旭化成グループのサランラップを売る子会社の社長もされていました。600億円ほど売上があって、かなりの利益が出るという優良部門です。そこの社長だけでなく、本社の常務もつとめていたというすごい方でした。

 そんなすごい方が、侍の格好をしてスーパーの店頭に立ち、自らサランラップを売っていたのです。地方のスーパーでそういう格好をしている人がいたら、話題になりますよね。それを社長自らがやっているわけですから、マスコミにも注目されて良い宣伝になりますし、スーパーとしても大喜びです。

 年を取ったいいオジサンがそんな格好でがんばっているわけですから、小学校3年生ぐらいの女の子が近寄ってきて、「おじさん、リストラされたの?」と聞かれたこともあったそうです。部下からも、「みっともないからやめてください」と言われたそうです。

 私は、能村さんと、1回だけゴルフをご一緒させていただいたことがあります。すると、能村さんは、ゴルフ場でも、大きなずだ袋からサランラップを取り出し、キャディさんに配るのです。

 やると決めたらとことんやる。心から「この方はすごいなぁ」と思いました。私は会社員時代、そこまでのことはやっていませんでした。

 会社としても、こういう人を出世させたいと思うのは当然でしょう。

 同じやるなら、それだけの熱意を持つべきなのです。仕事にどっぷり浸かるとは、こういうことだと思います。やるのなら、とことんやるということです。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。