M&Aは社員にどう影響を与えるのか

突然のM&A、社員の予期せぬ流出を防ぐには クレイア・コンサルティング 執行役員 ディレクター 橋本 卓氏

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 ある朝、あなたは自分の勤めている会社の名前が新聞に出ているのを見つけて仰天する。

 「○社、△社との経営統合に向けて交渉開始へ」。そんな話は聞いていない。まさかあのライバル社に買収されるとは。規模から考えてうちが吸収される側だろう。今頃、社内は大騒ぎだろうな...。

 これからいったい何が起きるのか、あなたは漠然とした不安を感じながら最寄駅への道のりを急ぐのであった――。

 M&Aが活発になる一方、M&Aが成功したとされる事例はわずかと言われている。中でも、統合の成否を分ける要因として、企業風土や人事制度の統合が課題であることは、いくつかの調査でも明らかになっている。弊社の知る事例でも、予期せぬ人材流出や社内の混乱によって、当初想定していた統合効果が得られない事例は数多くある。M&Aを成功させる上で「人」の融合が課題であることは認識されているものの、M&Aの発表や統合過程で起こる出来事がそこで働く人々にどのような意識の変化後をもたらしたのか、については意外に知られていない。

 そこで、人事統合の課題が特に大きいと予想される「買収された会社(被買収企業)」で働いている(または働いていた)人々に着目して意識調査を実施したところ、次のようなことが明らかになった(本調査の概要は表1)。

表1

1.予期せぬ人材流出のリスク

 調査によると、被買収企業の社員の4割以上がM&Aの発表時に転職を考えていたことがわかった。「M&Aの発表を聞いて、転職という選択肢も頭をよぎった」と回答した人は42%、どちらでもないと回答した人は28%、考えていなかったと回答した人は30%となった(図1)。

図1 人材流出のリスク(1)

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