ソーシャルメディアのその先へ

その広報活動の効果測定、もはや牧歌的すぎる トライバルメディアハウス 池田紀行氏

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「検索数×口コミ数」で見たPRの本当の影響度

「検索数×口コミ数」で見たPRの本当の影響度

 せっかくなら、ニュースをきっかけに商品やサービスに興味をもってもらい、検索してもらって自社のウェブサイトに来てほしい。そしてより深い情報を取得して、理解を深めてもらいたい。良いニュース(良いPR)は自分ゴト化を促進させる。

 そして、さらに良いニュースは、自分ゴト化(検索)するだけでなく、「みんなにも伝えたい」と思い、仲間ゴト化されるニュースである。仲間ゴト化がもっと進めば、世の中ゴトに発展していくだろう。

 すなわち、ソーシャルメディア時代におけるPRの優等生は、「閲覧数×検索数×ツイート数」の総和が最も大きいものといえる。

ROI算定に大きな壁あり。だが...

 最後に、ROI(投下資本利益率)の話に触れておこう。ここではマーケティングのROIについて説明するが、みなさんに伝えたいことは「ROIという指標はクセモノだ」ということであり、マーケティングROIにも広報活動ROIにも共通する。

 私は、いままで多くの効果測定に関する文献や論文を読み、クライアントと一緒に実践の場でROIの算定にチャレンジしてきた。しかし、試算すればするほど、ROI算定の限界にぶち当たった。マーケティング業界には、「関連部署のリターンを積算していったら、全社の売り上げの3倍になってしまった」という笑い話もあるほどだ。

 現時点で私が至った結論は、「100%の精度で、マーケティングROIを算出することは不可能」ということである。

 この結論をもって、「どう頑張っても100%の精度でROI算定をすることはできないから、マーケティングROIの算出なんて諦めなさい」と言いたいわけではない。その逆である。

 どんな方法を採用したとしても、マーケティングROIには必ずグレーな部分が発生する。ブラックボックスの中身を完全にクリアーにすることはできない。だからこそ、我々マーケターが行うべきは、「マーケティングROIを完璧に算出することはできない」という前提に立ち、できうる範囲で最大限の測定努力をするスタンスが大切なのだ。

 私をこの結論に至らしめた3つの事例がある。テーマがテーマなだけに、具体的な企業名は明かせないが、概要を紹介しよう。

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