ソーシャルメディアのその先へ

その広報活動の効果測定、もはや牧歌的すぎる トライバルメディアハウス 池田紀行氏

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 ペイドメディアは広告などによって「認知」を獲得するメディア、オウンドメディアは自社のウェブサイトなどによって「理解」を獲得するメディア、アーンドメディアはプレスリリース(報道発表)の露出などによって「評判」を獲得するメディア、ソーシャルメディアはFacebookやTwitterの公式アカウントなどによって「共感」を獲得するメディアである。

 これら4つのメディアのうち、従来の広報部が担当していたのはアーンドメディアのみだが、最近の動向をもとに次世代の広報部が担うべき領域を整理してみると、なんと宣伝部が担当する広告(ペイドメディア)以外の3つがすべて当てはまる。これを広報部にとってのチャンスととらえるか、面倒くさいと考えるかは企業によって分かれるところかもしれないが、少なくとも時代は「理解」「評判」「共感」の3つを戦略的に獲得する次世代広報パーソンを求めている。

 広告換算値だけで広報効果を測定・評価することが、いかに時代に合っていないか、おわかりいただけただろうか。

広報活動の手段が目的化していないか

 このように広報の役割や活動領域が拡張する中で、多くの広報担当者がいま一番求めているのは、広告換算値以外の効果測定指標である。これまでは、広告換算値を中心とした効果測定を行い、たとえばPR会社への外注コストが月80万円で、結果として得られたメディアでの露出(広告換算値)が240万円だったら、「費用対効果は300%(3倍)!」といった報告をしていたかもしれない。

 しかし、冒頭で述べたように、このような効果測定は牧歌的すぎて、もはや時代遅れになりつつある。なぜだろうか。

 あなたや、あなたが所属する広報部が頑張って広報活動をしているのは、何のためだろうか。露出する記事の本数を増やすためか。リーチ数(広報メッセージが届いた人の数)を拡大するためか。それとも広告換算値を最大化するためなのか。

 答えは、すべてノーである。現状、これらの指標で効果測定をしている企業がほとんどだが、大切なことを見落としてしまっている。手段が目的化してしまっているのだ。

広報活動のKGIとKPI

広報活動のKGIとKPI

 露出の増大もリーチの拡大も、すべて目的を達成するための手段にすぎない。たとえば、新サービスのニュースリリースを打つ場合、あくまで目的は「新製品・サービスの認知向上」や「製品・サービスの理解促進」のはず。BtoBサービスであれば、「問い合わせ意向の向上」や、実際の「引き合い数の向上」かもしれない。

 露出量やリーチは、あくまでそれらの目的を実現するための中間指標なのである。

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