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購入金額だけで「顧客を格付け」する愚行 本当に大切にすべきは「熱狂する顧客」 トライバルメディアハウス 池田紀行氏

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 この魔力の秘密は、スノーピークの類まれなる商品開発力も大きいが、私は、社長自らが全国のキャンプ場に赴き、狂信的なスノーピーカーたちと2泊3日のキャンプを行う「スノーピークウェイ」というオフラインイベント、そして、その熱狂を維持・向上させるためのオンラインコミュニティー(現在はFacebookグループで運用)にも秘密が隠されているように思う。山井社長が語る「ユーザー目線に徹し『ほしいモノ』だけ作る」「夜を焦がす焚火を前に、顧客とトコトン語る」という言葉にも表れている。

 ちなみに、同社の投資家向け資料には、下図のように、熱狂顧客の育成こそが経営戦略の根幹にあることが明記されている。「顧客満足ではぬるい。顧客を熱狂させるのだ」「熱狂顧客と熱狂的推奨者こそが、スノーピークブランドの持続的な競争優位の源泉である」という想いが伝わってくる。

出典:スノーピーク決算説明資料「平成27年12月期第2四半期 投資に関する説明会」

出典:スノーピーク決算説明資料「平成27年12月期第2四半期 投資に関する説明会」

 ザッポスやスノーピークのように、熱狂顧客が多いブランドは、まず既存顧客のLTVが高い。他のブランドに浮気せず、そのブランドをずっと買い続けてくれる。一般的に、既存顧客を維持するためのコストは、新規顧客を獲得するコストの5分の1で済むといわれる。さらに推奨顧客が多いブランドは、顧客が顧客を連れてきてくれる。だから広告を大量に出す必要がなくコストが下がる。

 このように、熱狂顧客や熱狂的推奨者が多いブランドは、既存顧客が多くの利益をもたらしてくれて、さらに友人や同僚、家族を連れてきてくれるため、広告宣伝費などの販管費を抑えられる。熱狂度や推奨意向が中期的な利益成長の源泉になる理由である。

あなたのブランドに対する「熱狂度」を知る

 ここまで述べてきたように、ごく少数の熱狂顧客のリピート購買によって売り上げの多くが安定的に生み出されている。こうした中長期的な利益を「計画的に」つくっていくためには、まず自社のブランドを買ってくれている顧客の構造をもっと詳しく知る必要がある。

 たいていのブランドには、すでに熱狂顧客が一定数存在している。これは、顧客の熱狂度調査を行えばすぐにわかることだ(熱狂度の調査法は下図の通り)。このやり方で言えば、「5」と回答した顧客は熱狂(Enthusiasm)のレベル、「4」がロイヤル(Love)、「3」がそこそこ満足(Like)ということになる。

<FONTBOLD />熱狂度の調査法の例</FONTBOLD>

熱狂度の調査法の例

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