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購入金額だけで「顧客を格付け」する愚行 本当に大切にすべきは「熱狂する顧客」 トライバルメディアハウス 池田紀行氏

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売り上げの3~4割をつくる「たった2.5%の熱狂顧客」

 だから、本当に大切にすべきなのは、売り上げの8割をつくる2割の顧客のうち、「その商品が好きで好きでたまらないくらい愛しているから繰り返し買ってくれている顧客」である。ここでは、そういう顧客を「熱狂顧客」と呼ぶことにする。下図に示す顧客構造でいえば、上位3.3%の顧客が熱狂顧客および熱狂的推奨者、次点の10%がロイヤル顧客の候補者となる。

顧客の関与度と売り上げの関係 POSデータをもとに購買金額の多い順に顧客を並べ、全体を30等分(3.3%ずつ)にセグメンテーションしたところ、上位3.3%の顧客が33%の売り上げを占め、次の10%の顧客が33.8%の売り上げをもたらしていたという(出所:堀田治『超高関与消費のマーケットインパクト―関与と知識による多段階の発展モデル』)</p><p>

顧客の関与度と売り上げの関係 POSデータをもとに購買金額の多い順に顧客を並べ、全体を30等分(3.3%ずつ)にセグメンテーションしたところ、上位3.3%の顧客が33%の売り上げを占め、次の10%の顧客が33.8%の売り上げをもたらしていたという(出所:堀田治『超高関与消費のマーケットインパクト―関与と知識による多段階の発展モデル』)

 熱狂顧客は間違いなくLTVが高く、彼ら彼女らの多くが友人や同僚にもブランドをすすめてくれる。たとえば、カゴメトマトジュースは上位2.5%のわずかな顧客から全売上高の30~40%をつくっているという(日経デジタルマーケティング2015年10月号)。この「2.5%」の多くが熱狂顧客であり、本当に大切すべき顧客なのである。

 しかし、そういう大切な顧客に対して一部の企業は残念な対応をすることがある。「既存顧客のリピート購買だけでは、年度の売り上げ目標をクリアできない。売り上げ貢献上位2割の優良顧客は、何もしなくても勝手に買ってくれるからとりあえず放っておいて、問題は何か施策を講じないと買ってくれない消費者にいかに買ってもらうかだな...」と割引やプレゼントのキャンペーンを乱発している。ある程度は仕方ないのだろうが、このやり方を続けている限り、そのブランドに明るい未来はない。

 単年度の売り上げ目標だけを追いかけ、"その年暮らし"の施策をいつまで繰り返せるというのだ。割引やプレゼントキャンペーンに頼った売り上げアップは、いつまでも続けられるものではない。あなたも、今のやり方はいずれ限界が来ることに気づいているはずだ。

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