ソーシャルメディアのその先へ

「消費者のソーシャル化」に追いつけていますか? マーケティングの閉塞感はあなたが原因かもしれない トライバルメディアハウス 池田紀行氏

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拝啓 マーケティング本部長様

 ぶしつけながら、率直に申し上げます。現在のマーケティングの閉塞感は、あなたが元凶なのではないでしょうか。

 この数年で、消費者の行動に重大な変化が起こっていることを、あなたはどのくらい理解なさっているでしょうか。ソーシャルメディアやスマートフォンの普及に伴い、消費者と世の中は急速にソーシャル化しています。別の言い方をすると、あらゆるモノやコトに「人と人のコミュニケーション」が介在する社会へと変貌しています。

 なのに、どうでしょう。マーケティングの会社を経営している私は、仕事柄、年に数十回程度、企業内の勉強会講師を務めさせてもらっていますが、残念ながらマーケティング本部長の皆さんの大半は「ソーシャル化する消費者の姿」を依然としてあまり理解できていないようです。

 マーケティングの現場にいる方々からは、こんな声を聞くこともあります。「本部長は何もわかってない」「このままだとうちの会社は負けてしまう」「本部長が定年退職するまで、新しい施策の導入は無理」――。

 私は決してソーシャルやデジタルの礼賛者ではありません。それらが魔法の杖でないことは、ソーシャルメディアマーケティングの当事者として、誰よりも、痛いほど、よく承知しているつもりです。

 しかし、ソーシャルやデジタルの世界が圧倒的に広がった今、それらを抜きにマーケティングを考えることはできません。わずか数年前まで、ソーシャルな世界は「企業が立ち並ぶ陸地に、ぽつんとできた小さな池」のような存在でした。それがいまや、ソーシャルな世界は広大な「海」へと成長し、企業はその上に漂うヨットのような存在に変わりました。わずか数年の、あっという間の主従逆転です。

 こうした状況に対して、「よくわからないから少し様子を見よう」と考えるマーケティング本部長もいれば、「やってみなければわからない。チャレンジしてみよう」と社員を鼓舞するマーケティング本部長もいます。一昔前なら前者のような態度でも間違いではなかったでしょう。まだソーシャルな世界は、それほど大きくなかったからです。しかし、今、「もう少し様子を見よう」と考えるマーケティング本部長がいるとするなら(残念ながら、結構います)、すぐにでもその席を部下に譲ったほうがいいでしょう。

 それほど世界は変わっています。マーケティング本部長の皆さんが会社の成長のブレーキにならぬよう、変化の本質をよく知り、有益な施策を打ち出すことで、会社がより一層繁栄することを願ってやみません。

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