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クラフトビールでヒット連発、その「愛される仕掛け」とは? 熱狂顧客を育んだヤッホーブルーイングの快進撃 トライバルメディアハウス 池田紀行氏

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 イベント会場のキャンプ場では、井手社長をはじめ、多くのスタッフがそこかしこに現れ、スタッフを中心に「仲間の輪」ができあがっていた。そこでは、他愛もない話から、新商品の話、「ヤッホーが好きすぎてヤバイ」という話まで、熱狂の渦が形成されていた。

 ファンは、社員との交流の場を求めている。だからイベント会社を一切使わず、何から何まで社員による手づくりのイベントでもてなす。徹底的な現場重視、圧倒的なブランド体験の場が、そこにあった。

 2つめの交流は、顧客同士の交流だ。超宴のプログラムは、多くが「顧客同士が仲良くなれる」ことがコンセプトになっている。「よなよなウルトラクイズ」や、じゃんけん大会(前の人の肩に手を置き、数人で列を1つつくり、一番前の人が隣の列とじゃんけんをして、負けたらその列の最後尾にくっつき、長い列をつくっていくというゲーム)など、まったく知らない人同士が笑顔で会話をしたり、ハイタッチをしたりしてどんどん仲良くなっていく仕掛けが施されている。

 極めつきは、巨大なキャンプファイアーを囲んで数百人が手をつなぎ、ヤッホー流に替え歌されたマイムマイムを踊るダンス大会だ。みんなほどよく酔っ払っていて、熱狂のピークを迎える。これを体験したら、もうヤッホーのファンになってしまうに違いない。

ダントツの結果となったヤッホーの熱狂スコア

 11年連続増収増益という中長期的な成長を支える「熱狂顧客」の存在感は、データにも表れている。

 トライバルメディアハウスが実施した独自調査の結果では、よなよなエールが顧客から強い支持を得ていることがうかがえる。よなよなエール購入者のサンプル数が少なかったため、あくまでも参考値として見てほしいが、このビールに対する熱狂度と推奨意向(NPS)は主要ビール商品ブランドの中でトップとなった。

国内主要ビール商品10ブランドの熱狂スコア(単位:%)</p><p>出所:トライバルメディアハウス熱狂ブランド調査2016

国内主要ビール商品10ブランドの熱狂スコア(単位:%)

出所:トライバルメディアハウス熱狂ブランド調査2016

※熱狂スコアは、ブランドに対する顧客の愛情の強さを測定するトライバルメディアハウス独自の指標。「◯◯はあなたにとってどのような存在ですか」という質問に対し、5(熱狂):すっかりハマっている、夢中だ、ぞっこんだ、4(ロイヤルティー):愛情を感じながら飲んでいる、幸せを感じる、3(好意):好きで飲んでいる、2:悪くはないと思いながら飲んでいる、そこそこ満足している、1:なんとなく飲んでいる、の5段階で回答してもらう。数十のブランドで確認した結果、NPS(推奨者正味比率)よりも、LTV(顧客生涯価値)と高い相関があることがわかった。

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