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もう「顧客に聞いたニーズ」では儲からない 顧客を巻き込んだ「共創」だからこそ見えてくる未知の領域 トライバルメディアハウス 池田紀行氏

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P&Gの共創イノベーション「connect + develop」

 昨年くらいから、広告やマーケティング業界の界隈で、少しずつ「共創」という言葉を聞くようになってきたが、実は「共創」という考え方は意外と古くからある。遡ってみると、城西大学経営学部教授の清水公一教授が、1970年代に「共生マーケティング」(Co-Marketing)を提唱している。1980年には、未来学者のアルビン・トフラーが著書『第三の波』の中で、生産者(プロデューサー)と消費者(コンシューマー)を組み合わせた造語「プロシューマー」という概念を提唱している。

 最近では、2010年に出版された『ウィキノミクス』(ドン・タプスコット、アンソニー・D・ウィリアムズ著)の中で、プロシューマーを商品やサービスの創出に積極的かつ継続的に関与させることの重要性を説いている。これらは、マーケティングに顧客を巻き込み、価値を顧客と共につくっていく「価値共創」の考え方に通じるものだ。

 共創の具体例を見てみよう。P&Gが「connect + develop」というオープンイノベーションを推進していることをご存知だろうか。

P&Gのオープンイノベーション「connect + develop」の特設サイト

P&Gのオープンイノベーション「connect + develop」の特設サイト

 技術や特許がメーカーの差別的競争優位性の源泉だった時代は、R&D(研究開発)が重視されてきた。もちろん、それは今後も変わらないが、自社単独で研究開発投資を行い、自社資源だけで新たなイノベーションを起こすことが難しくなってきている。そんな中、P&Gが「connect + develop」というコンセプトを提唱し、価値共創に取り組んでいる。

 「connect + develop」は、P&Gとパートナー企業による共創である。P&Gは同社のニーズやイノベーションを起こしたい領域などを特設サイトに提示し、それを解決し得ると考えた企業がこのサイトを通じてイノベーションを提案する仕組みになっている。

 この活動を通して、実に2000件以上のイノベーションを発生させていることは、企業のマネジメント層やマーケティング担当者に多くの示唆を与えてくれるように思う。

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