ソーシャルメディアのその先へ

人智とデジタルの結合、リクルートSUUMOの解 トライバルメディアハウス 池田紀行氏

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 続いて、成田氏は、データサイエンティストとマーケティング担当者の関係について話を進めた。

 「弊社のデータサイエンティストには、数学的なアプローチを経営やマーケティングに役立ててもらいたい(役立ててもらえることが嬉しい)と考えている人間が多い。そして、彼らは『数学や統計として分かるのはここまで』という線引きをしっかりしている。『データの限界値』『アウトプット(未来予測)の精度』についても理解していて、決してデータがすべてにおいて万能だとは考えていない」。

 数年前から企業はアクセスログを大量に蓄積し、ソーシャルメディアデータもツールを使えば簡単に分析することができた。しかし、すべてを有効に活用できなかった歴史がある。

 「大勢のデータサイエンティストが育って、分析基盤やツールも整い、いろいろなデータを分析することができるようになったとしても、そもそも何を、どんな目的で分析し、それによって何を導き出したいのか、という仮説やゴール設定がなければ意味がない。データをどう使っていくか、もしくは、こう使えるからこんなデータをとろう、ということを考えることができるマーケティング担当者の役割は、今後むしろ増えていくと思う。『何のために』そのデータをとるのか。そのデータを取得・分析したら『何が実現できるのか』。ビッグデータ時代のマーケティング担当者に求められることは、ビジネスを成功させる仮説を生み出し、データサイエンティストと議論してそれを検証、見立てていくこと」(成田氏)。

結局、課題発見力や仮説構築力が問われる

 デジタルマーケティングが実現する近未来について、今までよりも少し鮮明にイメージすることができただろうか。また、ビッグデータや、データサイエンティストが注目される中、本当に求められているのは、理系も文系も関係なく、ビジネスやマーケティングの課題を発見し、仮説を構築・検証する力であることがSUUMOの成田氏の話から理解していただけたと思う。

 次回は、まさに新たな仮説を導き出し、イノベーションの種を発見するために昨今注目されている価値共創や共創マーケティングについて考察する。

池田 紀行 (いけだ のりゆき)
トライバルメディアハウス代表取締役社長。1973年横浜市生まれ。ビジネスコンサルティングファーム、マーケティングコンサルタント、ネットマーケティング会社クチコミマーケティング研究所所長、バイラルマーケティング専業会社代表を経て現職。キリンビール、P&G、トヨタ自動車などのソーシャルメディアマーケティングを支援する。『Facebookマーケティング戦略』『ソーシャルインフルエンス』『キズナのマーケティング』など著書多数。Twitter:@ikedanoriyuki、Facebook:http://www.facebook.com/ikedanoriyuki

キーワード:経営層、管理職、マーケティング、営業、経営、人材、IoT、AI

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