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人智とデジタルの結合、リクルートSUUMOの解 トライバルメディアハウス 池田紀行氏

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 一方、ニーズが顕在化した層に対しては、SEO(検索エンジン最適化)やSEM(検索エンジンマーケティング)などの検索エンジン対策や、コンバージョンまでをフォローアップするリターゲティング広告などをきめ細かく展開している。

 最近では、ネット広告の配信や買い付け(入札※)を自動化するサービスやツールも数多く出ている。デジタルマーケティングで一歩先を行くSUUMOのことだ。さぞやテクノロジーを駆使した自動化が進んでいるかと思いきや、現場の思想は全く異なるものだった。たとえば事業への収益寄与度が大きいリスティング広告のキーワードについては、自動入札よりもきめ細かな入札作業が必要になるため、広告代理店が手動で行っているのである。

(※)入札とは、広告を出したい検索キーワードに対して、1クリック当たりいくらまでなら広告料金を支払ってよいかを決めて設定すること。自動入札ツールとは、あらかじめ設定したロジックにもとづき、キーワードやURL、広告クリエイティブや入札価格などを自動的に最適化するもの

 「重要なのは、収益に大きなインパクトを与える(リスティング広告の)キーワードの入札において、広告代理店のスタッフにきめ細かな運用をしていただける工数(時間)を確保すること。代理店の方にとって、リスティング広告の運用に割ける人員と時間は限られている。無理を言ってすべての運用を手動でやってもらっても、そんな(相手に無理を強要する)関係は長く続かない。戦略を考える時間を確保していただいたり、重要なキーワードの運用に十分な手間をかけていただいたりするために、その他のワード(ニッチなキーワード)やテールワードについては自動入札ツールを使っていただいている。自動化ツールは、手動のための時間を創出するためのものと考えている」(成田氏)。

 自動化と聞くと、すべてが理路整然とプログラマティックに行われるイメージを持っていたが、成田氏の話は、そんな筆者の安直な考えを吹き飛ばす、人間味あふれるものだった。日々の運用を一生懸命行ってくれている代理店スタッフが、無理なく続けることができる運用体制や仕組みを構築するための自動化。恥ずかしながら、目からうろこであった。

「フェロモン伝達モデル」で顧客の興味変化を表す

 SUUMOのチャレンジはとどまることを知らない。ついには、物件のレコメンデーションに「アリのフェロモン伝達モデル」を組み込んでしまった。

 楽天やアマゾンのようなECサイトでは、顧客の購買履歴を用いてクロスセルやアップセル(※)を狙ったレコメンデーションが頻繁に行われている。しかし、SUUMOの場合、顧客の検討期間が長く、かつ高額な不動産という特殊な商材を取り扱っている。そのため、購買サイクルの短い日用品と同じアルゴリズムを用いることが困難である。

(※)「Aに加えてBもいかがですか?」とレコメンドするのがクロスセル、「Cに1万円プラスするとDが購入できますよ」とレコメンドするのがアップセル

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