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人智とデジタルの結合、リクルートSUUMOの解 トライバルメディアハウス 池田紀行氏

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 SUUMOを訪れる月間のユニークユーザー数は実に1000万強に上る。その「集客」を推進しているのが成田氏である。成田氏は、2002 年にリクルートに入社。ブライダル領域、住宅領域での営業を担当後、住宅領域の情報誌(フリーペーパー)のマネジャー、市販誌の編集長を担当し、現在SUUMOのネットメディアを担当するネットMP部の部長としてウェブ集客戦略から商品、コンテンツまでサイト全体を統括している。

 人生で数回しかない「住み替え」のマーケティングチャンスをとらえるために、SUUMOではマーケティング担当者の専門性を伸ばすための人材配置をしているという。SUUMOには新築マンション、戸建、賃貸、注文住宅など複数の領域(マーケット)がある。マーケットごとに集客施策の目標が設定され、担当者が配置されている。

 「それぞれの担当者には、何よりも領域(マーケット)と施策の2つの面から専門性を伸ばしてほしいと考えている。たとえば『新築マンション』と『ディスプレー広告』の2つを掛け持ちするように配置している。狙いは2つある。まずはマーケットの専任担当者として、効率的な集客施策を行うため。商戦期のマーケット情報やカスタマー情報を把握し、施策に役立てる。もう1つは、ディスプレー広告やリスティング広告など、何か1つの集客施策で専門性を持ち、その分野における知見を磨くこと。この2つの専門性の磨き込みが成果につながるので、マトリクス状に担当を割り当てている」(成田氏)。限られたチャンスをものにするためには、マーケットと集客施策の両面で知見を磨き込むことが出発点というわけである。

 ちなみに、それぞれの施策を異なる担当者が運用すると、横並びの比較がしづらくなりそうだが、SUUMOではすべての分析フォーマットを統一することで比較を容易にしている。フォーマット化が得意なリクルートならではだろう。

自動化は「きめ細かな手動運用」を支援するもの

 「住み替え」に関するニーズは、カスタマーが住み替えたいと考える以外にも、転職、異動(転勤)、結婚、出産などのライフステージの変化によって突然顕在化する。そして、顕在化されたニーズは、新築マンションや一戸建ての購入、中古物件の購入、賃貸などの物件の種類に加え、エリアや駅徒歩分数、間取りや金額など個人によって千差万別である。

 ただし、ニーズが顕在化した人にとって「住み替え」情報の価値は高まるが、たとえば新築マンションだけを探している人にそれ以外の物件情報は不要であり、その人のニーズに合致していない情報はノイズになってしまう恐れがある。ここにSUUMOのマーケティングコミュニケーションの難しさがある。

 そのため、SUUMOはマーケティングプロセス別、ニーズ別に様々な施策を複合的に行っている。

 まず、まだニーズが顕在化していない層も含むすべての層に対しては、テレビCMなどでSUUMOのキャラクターを主軸とした認知向上や再想起性を向上させている。これは、ニーズが顕在化したとき、最初にSUUMOを思い出してもらうためである。同時に、情報を検索したとき、認知や好意を持っているブランドはクリックしてもらいやすいためだ。

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