また、1度でもバナー広告をクリックした人や、サイトに訪れた人に対して、一定期間、当該商品の広告を繰り返し表示させることで(リマーケティング)、効率的に顕在顧客を刈り取ることができるようになった。
「顧客を囲い込め!」、新規顧客獲得から既存顧客の深耕へ
時は同じく1990年代後半から2000年代前半。IT(情報技術)の飛躍的進歩によって、多くの企業が戦略的に顧客管理をできるようになった。いわゆるCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)ブームの到来だ。
それまではイケイケドンドンで新規顧客を獲得することがマーケティングの本流だったが、バブルの崩壊や市場の成熟化、人口の減少が迫ってきたことなどにより、新規顧客だけでなく、既存顧客のLTV(Life Time Value:顧客生涯価値※)を最大化させよう、という機運が高まったのだ。
(※)顧客生涯価値は、顧客が生涯にわたってもたらすであろう利益の総額を指す。
既存顧客との関係を重視する経営/マーケティング戦略が登場
この頃、顧客満足度調査やマイレージカード、ポイントカードが大きく普及し、様々な業界で「マスからワン・ツー・ワンへ!」「(市場シェアだけでなく)顧客シェアを重視せよ!」「顧客を囲い込め!」といった標語が溢れた。