ソーシャルメディアのその先へ

「ソーシャルメディアのその先」に激動の予感 トライバルメディアハウス 池田紀行氏

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

「選択」から「組み合わせ」が重視される時代に

 そして2014年の現在。TwitterやFacebookの国内ユーザー数は約2000万人。LINEは5000万人を突破し、マスメディアとしての存在感を強めている。スマートフォンの普及も手伝い、ユーザーは多くの時間をソーシャルメディアで過ごすようになった。

 こうした状況において、現在のマーケティングは「消費者の可処分時間の争奪戦」となっている。であれば、ユーザーが多くの時間を過ごし、口コミ発生の最前線でもあるソーシャルメディアは、マーケティングの対象として非常に魅力的な場所になったといえる。

サントリーのLINE公式ページ</p><p>1357万人の「友だち」がいることが分かる

サントリーのLINE公式ページ

1357万人の「友だち」がいることが分かる

 TwitterやFacebookは、エンゲージメントプラットフォームとしての用途だけでなく、ターゲティング精度を高め、自社ブランドと親和性の高いユーザーに決め打ちで効果的な広告を打つことができる「広告配信メディア」としての存在感も強まってきている。また、LINEに公式アカウントを開設し、効果的にキャンペーンを打てば、それなりにコストもかかるが、500万人や1000万人といった巨大な「友だち」と常時つながり、月に数回ダイレクトに連絡をすることができるようになった。

 サントリーは、2014年6月時点で、LINEに1357万人もの「友だち」を有している。1300万人を超えるユーザーの「手元30センチメディア」(スマートフォン)に対して、ダイレクトにメッセージを送れるのだ。ほんの数年前には考えられなかったことである。

マーケティングそのもののデジタル化、そこに見えてくるもの

 さて、過去の流れを読み解く中から見えてくるものは何か。

 まず、現在のマーケティングは、従来のマスマーケティングなどにウェブマーケティングを「プラス」してきたものであることが分かる。しかし、現状では別々のマスとウェブのマーケティングは、今まさに融合する方向に向かっている。マーケティングそのものがデジタル化される時代と言っていい。この30年間のマーケティング施策が「全部入り」になるかのような未来の姿をイメージしてもらいたい。

 これはつまり、デジタルマーケティングの進展によるマスレベルでのワン・ツー・ワン・マーケティングが可能となる未来を指す。その萌芽は、LINEなどのソーシャルメディアが「マスレベルの広告配信メディア」として機能し始めたことなどにみられる。

 少し長くなってしまったが、マーケティングコミュニケーションの領域で起こっている変化の流れをおおまかに理解することはできただろうか。次回は、ソーシャルIDが顧客IDおよびクッキーデータと統合されると何が起こるのか、数年後には「当たり前」になるデジタルマーケティングの近未来を考察する。

池田 紀行 (いけだ のりゆき)
トライバルメディアハウス代表取締役社長。1973年横浜市生まれ。ビジネスコンサルティングファーム、マーケティングコンサルタント、ネットマーケティング会社クチコミマーケティング研究所所長、バイラルマーケティング専業会社代表を経て現職。キリンビール、P&G、トヨタ自動車などのソーシャルメディアマーケティングを支援する。『Facebookマーケティング戦略』『ソーシャルインフルエンス』『キズナのマーケティング』など著書多数。Twitter:@ikedanoriyuki、Facebook:http://www.facebook.com/ikedanoriyuki

キーワード:経営層、管理職、マーケティング、営業、経営、人材、IoT、AI

関連情報

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。