儲かる一言 損する一言

お客さんを驚かせる一言 田中公認会計士事務所 所長 田中靖浩

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 たとえそれが仲の良い友人だったとしても、「売らんかな」モードで迫る保険のセールスには閉口します。

 「この保険がぜったいにおトクですよ」--そう言われても困るのです。残念ながらそんな友人とは、どうしても縁が遠くなってしまいます。

 私が信用している保険販売員のAさんは、決してそんなことを言いません。

 これはA氏と私をめぐるエピソードです。

 まだ子どもが小さいころ、家族のことを考えた私はある保険の加入を検討していました。それについて彼に相談したのです。

 「ふむふむ」と話を一通り聞いたあとで、彼はこう言いました。

 「田中さん、この保険には入らないほうがいいですよ」

 私にとってその保険は損得以前に「必要がない」とのことでした。

 この答えは正直意外でした。しかも彼は他の保険を勧めることもしません。

 A氏は、わざわざ目の前の売上を捨ててしまったのです。

 しかし彼はこれによって、売上の代わりに大きなものを手に入れました。

 それは私からの信頼です。それは保険会社や保険商品ではなく、彼という人物に対する信頼でありました。

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