不動産格差

2030年、新築つくり過ぎで3割が空き家に 不動産コンサルタント、株式会社さくら事務所 会長 長嶋 修氏

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 また当時は、後年になるほど優良な住宅が供給されていたこともあって「新しいモノが美しい」時代でもありました。こうした文脈から「日本は新築文化だ」などと言われたりしますが、これも戦後の特殊な環境下で定着したかに見えた幻想です。

 住宅難を解決するための住宅供給は、「庶民が新築住宅を買うことがそのまま経済発展に寄与する」という側面もありました。住宅が一つ売れると、建材や設備が売れ、職人さんに給料が入り、マネーが世の中を駆け巡ります。こうした経済波及効果について住宅はとくに効果が高いとされていました。

 新築の住宅を作り続けることによって景気を浮揚させる政策が、なんとなく惰性的に続きました。この政策に頼って収益を上げてきた民間企業も甘え、新しいライフスタイルの提案に挑みませんでした。国も新しい社会のグランドデザインを提示することはありませんでした。

 やがて1985年のプラザ合意を契機としてバブルの発生と崩壊、その後長い停滞を経て現在に至ります。この間、日本には大きな社会の構造変化がありました。それは「人口減少」「少子化」「高齢化」です。

長嶋 修 著 『不動産格差』(日本経済新聞出版社、2017年)、第1章「2022年、住宅地バブルの崩壊」から
長嶋 修(ながしま おさむ)
不動産コンサルタント、株式会社さくら事務所 会長

1967年生まれ。広告代理店、不動産デベロッパーの支店長・不動産売買業務を経験後、業界初の個人向け不動産コンサルティングを行う、さくら事務所を設立。著書に、『「空き家」が蝕む日本』(ポプラ新書)、『不動産投資 成功の実践法則50』(ソーテック社)、『失敗しないマンション選び』(日本実業出版社)、『住宅購入学入門――いま、何を買わないか』(講談社+α新書)、『住宅選びこれだけ心得帖』(日本経済新聞社)ほか。

キーワード:経営、企画、営業、経営層、管理職、プレーヤー、マーケティング、不動産、環境問題

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