国の推計によれば、我が国の人口は2004年のピーク人口1億2784万人から2050年には約25%、3300万人が減少し、9515万人になります。また2100年には4700万人程度(中位推計)と、明治時代後半の水準にまで戻るとされています(図表1)。まさにジェットコースターが落ちるようなすさまじい減少に見舞われるわけです。こうした人口予測の精度は非常に高く、60年代に国連が世界の人口を予測し、40年経過した2000年時点での差異は0.09%しかありませんでした。
図表1 我が国の人口は長期的には急減する局面に
人口減少と同時に生じる「少子化・高齢化」も、住宅価格の大きな下落要素です。シンガポール国立大学・清水千弘教授らの研究によれば、日本の住宅価格は2040年には2010年比で46%下がるとしています。3000万円の住宅が1620万円になってしまう計算です(図表2)。
図表2 2040年の住宅価格(2010年比)
こうなる理由にはいくつかの要因があります。最も大きいのは、総人口の減少と老齢人口依存比率の上昇です。
つまり少子化・高齢化によって若年層の社会保障負担が増し、実質所得が減少することで、住宅を買ったり、借りたりする力が減退するからだそうです。