不動産格差

2022年、住宅バブル崩壊でマイナス価格も 不動産コンサルタント、株式会社さくら事務所 会長 長嶋 修氏

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 しかし、それから40~50年が経過しました。建物は老朽化し、住民も年を重ねました。同時に少子化が進み、都心回帰的な人口動態もあって、郊外立地の一戸建てニーズは年々着実に減少しています。

 こうした物件は、経済合理性だけを優先して考えた場合、少しでも早く売るべき「負け組不動産」です。今後、活用しにくい住宅の価値は下がる一方だからです。

 1960年代、70年代に「白亜の殿堂」と呼ばれ、庶民の憧れの的だった公団住宅も、現代のニーズに当てはめれば、駅から遠い、天井が低いなどいかにも時代遅れとなりました。建物をリノベーションするなどして、若年層を取り込む仕掛けがなければ、いつかスラム化します。

 こうした問題は、東京23区も例外ではありません。足立区では空き家の増大によるスラム化を防ぐ目的で、解体費の補助を始めています。都心5区(中央・千代田・港・新宿・渋谷)であっても、老朽化したマンションにはスラム化予備軍が散見されます。

 不動産は結局「利用されてナンボ」の世界です。立地や広さ等によってそれぞれ最もふさわしい利用法があるはずです。都心部・駅近であれば、高い容積率を目一杯使った背の高いオフィスビルやマンションで決まりですが、それ以外の立地の用途は千差万別です。

 倉庫やトランクルームがふさわしいところ、店舗がふさわしいところ、太陽光パネルを一面に敷き詰めるのが効率のよいところなど、それぞれの不動産にふさわしい活用の仕方があります。もちろん、まったく利用できないケースもありえます。

 それぞれの不動産が、現在はもちろん、将来的にどのような活用の仕方が想定できるのかを検討することがきわめて大切です。マイホームの場合は、長期的にマイホームとして活用可能な立地や建物かどうかという視点が大切です。

 そして、もっと大事なことは、不動産を「資産として維持し続けること」です。これができるかできないかで、一般的な家計では、人生における金銭的な豊かさのほとんどが決まってしまいます。これについては後述します。

2050年に日本の人口は3300万人減少

 ご承知の通り、日本はこれから本格的な人口・世帯数減少、超高齢化社会に突入します。

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