しくじる会社の法則

バックヤードに会社の「素顔」が見える ジャーナリスト 高嶋 健夫氏

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 もう1つ、お店に行った時のチェックポイントがあります。それは、バックヤードをのぞくこと。私も店舗取材では可能な限り、バックヤードを見せてもらうようにしています。主たる目的は、補充用商品の管理の具合や、店員さんたちの“素顔”を確かめることです。

 裏方は裏方ですから、少しくらい雑然としていたって、別に構いません。とはいえ、在庫棚が補充用商品の出し入れを間違いなくできるように作られているか、ホワイトボードに掲示されたシフト表が、今日は誰が「出」なのか一目でわかるようになっているかなど、見るべきところはいろいろあります。その店の実力は、表のお店よりもむしろ、こんなところから測れる場合も多いのです。

 バックヤードでくつろぐ店員さんたちの様子も大事なポイント。お客様の目を離れて、ホッとできる憩いのひと時ですから、おしゃべりしてたって、じゃれ合ってたって、全然OKです。そんなことにケチを付けたりはしません。でも、私のような外部の人間がいることに気づいたら、ちょこっと会釈くらいはしてほしいな、と思います。えー、こちらもお邪魔虫であることを重々承知しつつ、居心地の悪い思いを隠しながら、その場にいるわけでして、そんな時にニコッとしてもらえれば、気持ちが和んで、心理的負担も少しは減ります。そのお店に対する好感度も一気に急上昇です。

 教育やしつけが行き届いているお店は、こんなところも微妙に違うものです。そうした小さな気遣いができることを「おもてなしの心」と呼ぶのだと、私は考えます。

チェーン店は、最低でも2店舗以上を見比べる

 複数の店舗を展開しているチェーン店の場合は、絶対にやるべき必勝のチェック方法があります。最低でも2店舗、できれば3店舗以上を見比べてみるのです。私はこれまでフランチャイズ(FC)ビジネスの取材も数多くやってきました。これはその取材経験から身につけた実践ノウハウです。

 その際のコツの第1は、あくまでも客として利用してみること。第2は、なるべく離れた場所にある店を選ぶこと。例えば、都心の繁華街やビジネス街にあるお店vs郊外の住宅地にあるお店、あるいは東京のお店vs大阪のお店vs地方都市のお店、といった具合です。業態が多様なチェーンなら、駅前の商業ビルのテナント店vs繁華街の路面店vs街道沿いのロードサイド店、というようなやり方で実地検分するのもいい方法です。そこから、そのチェーンの店舗オペレーションの実力が鮮明に見えてきます。

 ファミレスにしろ、ファストフード店、コーヒーショップにしろ、居酒屋にしろ、あるいはコンビニ店、各種レンタルショップにしろ、チェーン店というのは本来、FC方式か直営方式かのいかんにかかわらず、同じ商品・サービスを同じ価格・品質で提供することがビジネスモデルの基本です。ところが、一見同じように見えるチェーン店でも、厳しい目でよくよく観察してみると、驚くほどの違いがあることに気づきます。

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