「つながる世界」が成熟し、セキュリティーに関心
皆様は「Disruptor50」というリストをご存じだろうか。
このリストは、世界最大の金融・経済・ビジネス専門チャンネルである米CNBCが、世界を変えるイノベーションを起こす未上場企業をリストアップしたもので、2013年から毎年作成され、今年で5回目となる。
Disruptor50では、日本でも有名な「Uber(ウーバーテクノロジーズ)」や「Airbnb(エアビーアンドビー)」など、既存の業界をdisruptし、新しいエコシステムを作り出す企業が多数掲載されてきた。このため、英語圏では相当に影響力を持っている情報だ。ちなみに"disruptive"という単語だが、辞書的な意味としては「混乱させる、分裂させる」となっている。一方、世界中で"innovative"と同様の意味合いで使われることが多くなっており、好意的な言葉として捉えられるようになってきている。
Disruptor50の選定だが、今年は838社の企業がノミネートされ、CNBCの編集スタッフとハーバード大学やスタンフォード大学といった一流大学のイノベーション・アントレプレナーシップに関する専門家などが、事業の拡張性、ユーザー数の成長を最も重要な指標とし、総合的に定量的・定性的な分析を行って50社を選定している。特許や商標でテクノロジーをどのように守っているかも評価対象となっている。
ドリームインキュベータでは、2014年、2015年、2016年にこのリストを参照し、「つながる世界」の分析を行ってきたが、これから、3回に分けてDisruptor 50から見える技術や経営の最新トレンドについてお届けしていく。
今回も含めこれまでのDisruptor 50のリストを見て分かったことは以下の2つである。
・つながる世界が成熟してきている
・世界がつながった結果、セキュリティーの重要性が増している
この2つのテーマについては、次回以降で掘り下げていく。
今回は、今年のリストを概観するとともに、掲載された企業で特に興味深いものについて紹介する。まず、掲載されている企業の一覧をご覧いただこう。
Disruptor 50 2017 一覧
出所:CNBC “2017 Disruptor 50 list”