投資レジェンドが教える ヤバい会社

「まじめなインターネット」銘柄を探せ! レオス・キャピタルワークス代表取締役社長 藤野 英人氏

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 たとえば、公認会計士でありベンチャーファイナンスに造詣が深い磯崎哲也氏は、ネット系ベンチャー企業を支援する組織「フェムト・スタートアップ」をつくり、ベンチャー企業への投資を行っています。2013年、第1号案件として投資したのは、電子コンテンツ配信サービスを行うピースオブケイク。磯崎氏は同社にさまざまなアドバイスをしたそうです。

 ピースオブケイクは『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(もしドラ)など多数のヒット作を手がけた編集者、加藤貞顕氏が創業した会社です。ビジネス書でありながら260万部という出版業界の中で近年まれにみる大ヒット作を生み出した敏腕編集者が、業界に変化を起こすべく新たなチャレンジをしようと起業したのですから、磯崎氏が投資を決めたのも納得の案件といっていいでしょう。

 フェムト・スタートアップはその後も続々と有望ベンチャー企業に投資していますが、中でも飲食店向け予約と顧客台帳サービスを提供するトレタへの投資は、まさに資金を有効活用してスタートアップ事業を順調に成長させることができた好例といえるでしょう。集客から予約管理、顧客管理までのさまざまな業務を大幅に合理化できる「トレタ」のサービスはすぐに話題となり、現在、8000以上の飲食店で導入されています。

 しかしこれがひと昔前なら、志を持ち実力も才能もある起業家であっても、こうしたサポートを受けられるチャンスはほとんどありませんでした。ベンチャー企業を金銭的に支援し、あるいは経験を活かして導ける人が、日本にはいなかったのです。日本のベンチャー市場は20年の時間をかけて整備され、今やっと環境が整ったわけです。

 ベンチャー起業家を目指す人材の厚みとこうした周辺環境を考え合わせると、私は、東京にはベンチャー企業が誕生し成功するチャンスがたくさんあると感じます。

 フェイスブックに迫るような会社が登場するとすれば、それはアメリカか日本から出てくるだろうと思っていますし、このような時代が到来したことに、今、非常にワクワクしているのです。

「まじめなインターネット」企業は価値が高まる

 私は近頃、株価上昇が期待できる銘柄のキーワードのひとつとして「まじめなインターネット」といっています。

 2016年、ディー・エヌ・エーが運営していた医療情報サイト「WELQ(ウェルク)」など複数のキュレーションメディアで、著作権を侵害する記事や写真の盗用、不正確な記事の量産などが大問題になりました。

 その背景として、効率ばかりを追い求めたために手間ひまをかけて仕事をすることが否定され、法律遵守や記事の信頼性が軽視されていった過程が明らかになっていますが、これは同社に限らず世界的に起きている現象だといえます。

 インターネットは、多くの面で「まじめさを失ってしまっている」といってもいいでしょう。

 このような状況のもと、投資家として注目したい企業群が「まじめなインターネット」。

 インターネットメディアを例に取るなら、これからは取材などに「まじめ」に手間ひまをかけ、皮膚感覚や手触り、温度感を大切にする企業がより評価されるようになると考えられるからです。

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