勝ち抜く中小経営への強化書

事業承継で生まれ変わる-後継者による経営革新- 日本政策金融公庫総合研究所 研究員 鈴木 啓吾氏

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 さらに、その効果を一段と高める方法があります。それは「経営革新」に取り組むことです。

企業に求められる不断の経営革新

 経営革新が業績にプラスの効果を与えることはさまざまな調査から明らかになっています。しかし、経営革新を果たすのは容易なことではありません。その要因としてよく挙げられるのは、ヒト・モノ・カネといった経営資源の制約ですが、それだけではなく、経営者自身がボトルネックとなっていることも多いと思われます。

 その主な理由は2つあります。1つは過去にとらわれることです。業歴を重ねるうちに伝統が積み上がり、それにとらわれるあまり、経営革新よりも従来のやり方を磨くといった保守的な経営方針を打ち出しがちです。

 もう1つはアイデアの枯渇です。キャリアの長い経営者は、すでに業績向上のアイデアをいくつも生み出し、それに取り組んできたはずです。さらに新しいものを考案するのは至難の業です。こうしたことがボトルネックとなり、経営革新に取り組めていない経営者は少なくないでしょう。

 そこで、期待されるのが後継者です。新たに経営に取り組む後継者であれば過去にとらわれることは少ないでしょう。また、先代にはなかった感性や考え方などの特性を活かした斬新な発想にも期待できます。

 図表2を見ると、小企業、中小企業のいずれにおいても、経営革新に取り組んだ企業の方が取り組んでいない企業よりも承継後の業績が改善した割合が高いことがわかります。つまり、事業承継を機に経営革新を行うことで、中小企業は飛躍を遂げることができるのです。

図表2 経営革新への取り組み状況別、承継後の業績

資料:日本政策金融公庫総合研究所「中小企業の事業承継に関するアンケート」(2009年)<br /></p><p>(注)小企業は従業員19人以下の企業、中小企業は同20人以上の企業

資料:日本政策金融公庫総合研究所「中小企業の事業承継に関するアンケート」(2009年)

(注)小企業は従業員19人以下の企業、中小企業は同20人以上の企業

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