勝ち抜く中小経営への強化書

事業承継で生まれ変わる-後継者による経営革新- 日本政策金融公庫総合研究所 研究員 鈴木 啓吾氏

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 少子化などを背景に、中小企業で事業承継が深刻な課題となっています。しかし、事業承継は企業が飛躍するチャンスでもあります。後継者は過去にとらわれず、斬新なアイデアを生み出せる可能性が高いからです。後継者が経営革新を成功させるためのポイントについて、実際のケースをもとに解説していきます。

深刻化する事業承継問題

 中小企業の事業承継問題は取り沙汰されて久しく、「中小企業白書」では10年以上前から警鐘を鳴らしています。世代交代が進んでいないため、経営者の平均年齢は上昇の一途をたどっており、帝国データバンク「2015年全国社長分析」によれば、2014年には59.0歳に達しています(図表1)。

図表1 経営者の平均年齢

資料:帝国データバンク「2015年全国社長分析」を一部改編

資料:帝国データバンク「2015年全国社長分析」を一部改編

 なぜ事業承継が進まないのでしょうか。考えられるのは少子化などを背景に後継者がみつからないことです。近年は子どもがいなかったり、いても継ぐ意思をもっていなかったりするケースが少なくありません。

 『中小企業白書2013年版』によると、経営者の平均引退年齢は約69歳であり、今後10年以内に半数以上の経営者が平均引退年齢に差しかかります。そのため、これまで主流だった親族内承継だけではなく、親族外承継や事業売却などによって、事業承継が進んでいくとみられます。

 事業承継は企業を存続させるだけではなく、飛躍させる好機でもあります。日本政策金融公庫総合研究所『中小企業の事業承継』によると、事業承継を行った企業について承継前後の業績を比較すると、約半数の企業が改善しています。

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